バス内置き去り想定 園児がクラクションでSOS 松崎で訓練

 牧之原市の園児が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件を受け、松崎町教育委員会と松崎幼稚園は26日、園児がバス内で助けを求める訓練を行った。車内に取り残されたことを想定し、年少―年長児がクラクションの鳴らし方や乗り降りの仕方を確認した。

送迎バス内でクラクションを鳴らす訓練に臨む園児=松崎町岩科北側の松崎幼稚園
送迎バス内でクラクションを鳴らす訓練に臨む園児=松崎町岩科北側の松崎幼稚園

 同園では園児27人のうち、24人がバスを利用する。保護者の要望を受け、毎月実施する防災訓練の内容を急きょ変更。子どもたちは運転席に座り両手でクラクションを押したり、ハンドルに座ったりして音を出した。体験後には「クラクションを強く押す」「長く音を出さないと」などと話していた。
 園は2012年、東海バス(伊東市)に委託してバス運行を始め、これまで園児が取り残された事例はない。事件後にバスの乗降マニュアルをまとめ直し、バスに同乗する職員による園児の乗降確認に加えて園に到着した際には別の職員が再度チェックする体制をつくった。万が一取り残された時の対応策として、バス内に笛とブザーを設けている。
 藤池晴子園長(60)は「送迎や出欠席の確認は、職員間の連携が重要」と強調。佐藤みつほ教育長は「今回に限らず、訓練は定期的に実施する必要がある」と話した。

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