【熱海市立図書館の「物語が映す熱海~作品の中に息づくまち~」】 地元舞台作品を紹介する企画展、「聖地巡礼」のファンで賑わう。『綺麗にしてもらえますか。』の展示も

静岡県のアートやカルチャーに関するコラム。今回は、3月28日に熱海市立図書館で開幕した企画展「物語が映す熱海~作品の中に息づくまち~」を題材に。
(文・写真/経営戦略室・天野大輔)

熱海市立図書館学芸員の徳本萌さん


熱海市立図書館で、同市が舞台となっているアニメや漫画、ロケ地となった映画・ドラマに登場する場所について、図書館が所蔵する資料をもとに紹介する企画展「物語が映す熱海~作品の中に息づくまち~」が始まりました。

作品で描かれた風景と当時の資料に残された熱海のまちの姿を見比べ、時代とともに変わったもの、今も変わらずに残るもの、それぞれの魅力を再発見してもらおうというのが企画趣旨。熱海の風景がどのように物語の舞台となり、人々の記憶の中に残っていくのかを考えます。
 

アニメが放送されたばかりの『綺麗にしてもらえますか。』

『綺麗にしてもらえますか。』の展示物の一部


さまざまな作品の舞台となってきた熱海ですが、今、ひときわ注目を集めているのが2017年から2026年(番外編含む)まで「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)に連載された、はっとりみつるさんの人気漫画『綺麗にしてもらえますか。』です。熱海市の実在の風景が描かれており、ファンらがその舞台モデルを訪ねる、いわゆる「聖地巡礼」が行われてきました。

2026年1~3月にはアニメが放送され、さらに多くのファンが物語の空気感に触れようと熱海を訪れています。この企画展でも『綺麗にしてもらえますか。』は中心的な存在となっており、作中に登場する「熱海ロープウェイ」や「初島」といったスポットを、昭和時代の資料で振り返ります。はっとりみつるさんのイラスト入りサイン色紙や、舞台モデルマップなども展示されています。
 

『綺麗にしてもらえますか。』の聖地探訪マップも配布中

図書館内で配布している「聖地探訪マップ」


『綺麗にしてもらえますか。』に関しては、3月11日から熱海市内の観光案内所などで、物語の舞台となった19カ所を掲載した「聖地探訪マップ」が配布されています。熱海市立図書館も配布場所の一つ。企画展の会場では、このマップが掲示されています。

図書館自体は作品に登場しませんが、すぐそばにある「市外電話発祥の地」や、湯前神社裏の路地はアニメに登場していますので、舞台モデル巡りの際に併せて立ち寄っておきたいスポットです。原作漫画では図書館の目の前にある「藤森稲荷神社」も描かれています。

3月まで放送されていたアニメは、原作の一部を映像化したものですので、これを機会にぜひ原作漫画も楽しんでみてはいかがでしょうか。3月25日に最終巻となる12巻が発売されたばかりで、今なら物語の結末まで一気に読み進めることができます。
 

漫画『POLE STAR』では図書館も登場

『POLE STAR』作中にも登場している熱海図書館


企画展では、図書館そのものが登場する作品も紹介されています。熱海市を舞台に中学生の少女がポールダンスの世界に魅了されていく姿を描いたNONさんの漫画『POLE STAR』です。本作は「モーニング」(講談社)で連載中の人気作で、2026年17号でも表紙を飾ったばかりの注目作です。

本記事では漫画やアニメを中心に紹介しましたが、もちろん映画やドラマなどの関連展示も充実しています。企画展は5月24日まで開催されていますので、ぜひこの機会に、熱海市立図書館を訪れてみてください。

<熱海市立図書館学芸員の徳本萌さん>
「前回の企画展では熱海ゆかりの作家や芸術家を特集し、著書の展示がメインでした。今回は、書籍以外のメディアも取り上げたいということで、映画やドラマ、漫画などにスポットを当てた展示を企画しました。作品に登場する場所の昔の写真を数多く用意できるのは図書館ならではの強みだと思います。当時の風景と作品世界を併せてお楽しみいただければ幸いです」

<DATA>
■熱海市立図書館「物語が映す熱海~作品の中に息づくまち~」
場所:熱海市立図書館4階企画展示コーナー 
住所:熱海市上宿町14-20
開館:午前9時~午後6時(毎週月曜、4月24日休館)
期間:3月28日(土)~5月24日(日)

静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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