【ソロデビュー45周年、ピンク・レディーデビュー50周年。増田惠子さん(静岡市出身)インタビュー】「一緒に人生を歩んでいる、生きている仲間。そんな気持ち、皆さんに届いているのではないでしょうか」

ピンク・レディーのケイこと増田惠子さん(静岡市出身)が2月6日、東京・有楽町でソロデビュー45周年を記念するコンサートを開く。今年はピンク・レディーのデビュー50周年でもあり、事前に公開されたセットリストには、当時のヒット曲も名を連ねている。長い歌手生活を一望する公演を控えた今、音楽や歌にどう向き合っているのか。国民的人気を誇った半世紀前の活動をどう捉えているのか。師走の東京で増田さんと対話した。
(聞き手=論説委員・橋爪充、写真=写真部・堀池和朗)

そうそうたる方々が曲を書いてくださった

-2月6日のコンサートは事前にセットリストを公開しています。ヒット曲を作詞作曲した顔ぶれの豪華さに、改めて驚かされます。

増田:1981年に「すずめ」でソロデビューして以降、シングルだけでなくアルバム収録曲でもそうそうたるシンガー・ソングライターの方々に曲を書いていただきました。先日、スタッフに「ケイさん、これは 45 年間の財産ですよ」と言われて。幸せな45年間だったと思い返しました。

-ご自身の曲と、カバーを交互に歌う趣向ですね。

増田:1曲目に「すずめ」を歌ったら、曲を書いていただいた(中島)みゆきさんの「時代」を歌う。次がソロ2枚目の松任谷由実さん「ためらい」で、その後は「春よ、来い」。竹内まりやさんに作っていただいた「らせん階段」に続いて「人生の扉」。

-桑田佳祐さん作詞作曲の「女優」もリストにありますね。

増田:組み合わせる形でサザン(オールスターズ)の「涙のキッス」を歌います。阿久悠先生の未発表詩に加藤登紀子さんが曲を付けてくれた「最後の恋」、そして「百万本のバラ」。こんなにすごい人たちに曲を書いてもらったんだということを、改めて知ってもらいたくてセットリストを事前公開しました。

-ソロ曲中心の第1部に続き、第2部では洋楽が目につきます。

増田:シュープリームス「Stop In the Name of Love」、大好きなキャロル・キングの「It’s too late」。私は1989年に(Kei名義で)フランスでデビューもしているんですが、その時のフランス語曲も「洋楽」ということで。

-シュープリームスの曲はピンク・レディーも取り上げていますよね。

増田:コンサートで歌っていましたね。

ピンク・レディーに関する過去の静岡新聞記事を見る増田惠子さん

ピンク・レディーは「集合体」

-ピンク・レディーはデビューした1976年からの5年弱の活動で、国民的存在になったと言えるでしょう。40代半ば以上の人には、楽曲がすり込まれているように感じます。振り返ってみて、当時のピンク・レディーという存在をどうご覧になっていますか。

増田:阿久先生と都倉(俊一)先生が作った曲、そして土居(甫)先生の振り付け。それを皆さんが覚えて、踊って、歌って楽しんでくださった。ピンク・レディーというのは私たちだけでなく「集合体」だと思うんです。どれが欠けても(ピンク・レディーは)ありえなかった。

-それは時間がたってから気付いたことですか。

増田:当時からそうは思っていました。2003年から2005年にかけて全国 100カ所公演を行った時、2011 年の全国27カ所コンサートでも同じように感じました。客席の皆さんが時を超えているんですね。もちろん年は重ねているんですが、子供のころの目に戻っている。会場中がピンク・レディーになって一緒に楽しんでいるように、ステージからは見えています。

-演者のお二人にも伝わるんですね。

増田:1曲目から皆さんが総立ちでね。40歳を過ぎてからその光景をステージで見た時の幸福感といったら。生きていて良かったな、と本当に思いました。皆さんからすごいプレゼントをもらっちゃったな、ピンク・レディーでいて良かったな。そんな風に自分が思うようになるとは、想像もしていなかったんです。

-ファンが目の前にいて一緒に年を取っていく。そんな状況をどう感じていますか。

増田:高校生の時に(静岡市の「すみや」で)オーディションのポスターを見て、歌手になるという夢を叶えることができて、ソロでも活動して。本当に幸せな人生ですよね。私は昔から自分を俯瞰で見るくせがあるんですが、最近は「もしかしたら神様から何か使命を受けたんじゃないか」と思ったりします。自分がその使命を受け取って、なすべきことは何だろうと考えます。

-どんな結論に達したのですか。

増田:ピンク・レディーの姿になったら、皆さんのために昔の楽曲をアレンジを変えずに歌って踊る、ということです。ファンの方の中には、50年ずっと応援してくれている人もいる。そうすると、ステージに立つ人、それを見る人という切り分けができなくなってくる。私の人生にはいろいろなことがあった。皆さんにもいろいろあったでしょう。お互いにそれを頑張って乗り越えてきたねって。一緒に頑張ってきたねって。そういう思いでファンの方を見ちゃうんですよ。

-なるほど。

増田:ファンの方たちって、例えばご両親の介護もあるでしょうし、いろいろ大変なことを抱えているはずなんです。でも、私のコンサートに来た時は本当に楽しそうにしてくださっている。ステージではありがたいという気持ちと同時に、「まだまだ大丈夫、行けるよ」「私の背中に付いてきて」という思いも湧いています。

-ファンと共闘している感じがしますね。

増田:アーティストではあるけれど、みんなと一緒に人生を歩んでいる、生きている仲間。そんな気持ちは、皆さんに届いているのではないでしょうか。

<DATA>
■増田惠子・ソロデビュー45th anniversary concert  I Love Singing スペシャル!~ソロシングル、カバー、そしてピンク・レディー
日時:2月6日(金)開場午後5時、開演午後6時、終演午後8時(予定)
会場:I’M A SHOW(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン別館7階)
入場料金:全席指定 11000円
チケット発売:
・イープラス https://eplus.jp/ilovesinging/
・ぴあ https://w.pia.jp/t/masudakeiko-t/ (Pコード:312-597)
・ローソン https://l-tike.com/masudakeiko/ (Lコード:71789)
問い合わせ:サンライズプロモーション 0570(00)3337(平日正午~午後3時)

ピンク・レディーの1976年の「フェスタしずおか」出演を伝える静岡新聞記事

静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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