相撲を通じて礼儀・思いやりを学ぶ選手。「試合では気合を入れて取り組む」と話す上坂匠さん(2列目右端)。
一瞬で勝敗が決まる相撲。11月に始まる「大相撲九州場所」を楽しみにしている人も多いのでは。相撲好きな方は、ぜひ子ども力士の存在にも注目してほしい。きっかけは「わんぱく相撲」。静岡商業高校相撲部出身のOBたちが指導
今回シミ毎編集部は「静岡市こども相撲教室」を取材した。同教室は約20名の園児・小中学生が所属している。指導するのは静岡商業高校相撲部出身のOBたち。教室では、相撲の基本である「すり足」、股関節の柔軟性を高める「股割り」などの稽古に励む。わんぱく相撲大会の出場をきっかけに始める選手が多いという。わんぱく相撲は、小学生を対象とした日本最大規模の相撲大会。「体格差があっても勝てるのが相撲の良さ」と語る指導者の川上明廣さん。教室に通う子どもたちは、体が大きい選手ばかりではない。川上さんは、それぞれの体格を生かした戦い方を指導している。兄弟の目標は全国優勝。女子選手も活躍
小学生の稽古相手をする上坂隼斗さん。
同教室で期待されるのが上坂兄弟だ。二人とも得意技は押し出し。目標は全国優勝だ。兄の隼斗さん(中1)は「相撲を始めてから勇気がついた。ぶつかる時は緊張するが、押し出しで前に出られた時は気持ちが良い」。弟の匠さん(小5)は、今年8月に開かれた第40回わんぱく相撲全国大会(東京)でベスト16の成績を収めた。「好きな力士は元横綱の照ノ富士。目の動きが強い所が好き」。
次回も全国大会出場を目指す坂本楓栞さん。
女子選手の活躍も目が離せない。坂本楓栞さん(小5)は5月に相撲を始めてすぐに頭角を現した。9月に開催された第6回わんぱく相撲女子全国大会(青森)に出場。結果は2回戦敗退となったが「次も全国大会に出たい。大きな相手にひるまず、しっかりと立ち向かいたい」と力を込めた。願いは相撲が長く続けられる環境
取材時は「大相撲秋場所」真っ最中。教室は大相撲の話題で盛り上がっていた。大相撲が盛り上がりを見せる一方で、相撲の競技人口は減少傾向だという。相撲部がある学校は限られている。川上さんたちは子どもたちが長く競技を続けられるようサポートしている。「いつか指導者として戻ってきてくれたら嬉しい」と最後に願いを語った。<DATA>
■静岡市こども相撲教室
対象:幼児~中学生の男女
稽古日:火・土曜(冬季は火のみ)18時~
場所:4月~11月城北運動場 相撲場/12月~2月静岡商業高校内 相撲場
月会費:無料(損害保険料年間800円のみ負担)
問合先:村越090-4197-1990
※シミズ毎日2025年10月26日号掲載の記事を一部編集して掲載しています。






































































