注目のチェコのオーケストラ!「プラハ・フィルハーモニア管弦楽団」がアクトシティ浜松で来日公演!クラシック初心者にもおすすめ

注目のオーケストラ、プラハ・フィルハーモニア管弦楽団の浜松公演を紹介

皆様こんにちは、編集局紙面編集部の遠藤竜哉です。猛烈な暑さもひと段落か?と思いきや、まだまだ暑そうな静岡県内です…。

さて今回は、10月にアクトシティ浜松で開かれるチェコのオーケストラ「プラハ・フィルハーモニア管弦楽団」の来日公演を取り上げます。とても楽しめそうなプログラムになっていますよ。

まずは概要を書いておきましょう!

プラハ・フィルハーモニア管弦楽団演奏会

2025年10月9日 18時半開演/アクトシティ浜松中ホール
ピアノ:松田華音
指揮:レオシュ・スワロフスキー
演奏:プラハ・フィルハーモニア管弦楽団

◆チャイコフスキー/歌劇「エフゲニー・オネーギン」より≪ポロネーズ≫
◆ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18(ピアノ:松田華音)
◆ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」ホ短調 Op.95

めったに生演奏を聞けない東欧の精鋭軍団

最初に結論めいたことを書いてしまうと、本公演は、クラシック音楽に触れてみたいけれど、どの演奏会に行けばいいのか分からないー、知っているメロディーを迫力ある生演奏で聞きたいーと思っている方々に、特におすすめの内容です。

まず、オーケストラについて。

チェコのオケといえば、最初に思い浮かぶ名前はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団(チェコ・フィル)でしょうか? 確かにチェコ・フィルは同国を代表する名門で、世界屈指のオーケストラ。私自身、生演奏に接したことのある海外オケで最も回数が多いのはチェコ・フィルです(それだけ来日回数が多いとも言えます)。

ただ、チェコには、チェコ・フィル以外にも魅力的なオケが複数あるということ、その生音に日本で触れる機会は非常に限られているということ、そして、むしろチェコ・フィル以外のオケこそ機会を逃すべきではない、その貴重な来日公演がまさに今回であることーこのあたりを強調しておきたいと思います。

来日するプラハ・フィルハーモニア管弦楽団は1994年創設。「三十路」のオケということになりますが、欧州では100年、200年以上の歴史を持つオケも珍しくない中で、比較的「若い」オケとも言えそうです。チェコ・フィルが伝統と実力の老舗だとすれば、プラハ・フィルハーモニアは精鋭揃いの成長企業といったところでしょうか。そう書くと、鋭角的な演奏をする楽団のように思われるかもしれませんが、CD録音などを聞いてみると、演奏は意外なほど保守的です。サウンドはいかにも東欧チェコ。非常にしっとりとして、暖色的です。そして、しっかり歌い込みます。

そして、何より、各奏者が舌を巻くほどうまい。

素朴さと機能性の融合で、得意の名曲を聞かせます

もともと、チェコ・フィルと関係が深かった名指揮者イルジー・ビエロフラーヴェク氏が創設したオケ。どちらかといえば穏健なスタイルで知られた氏を思わせる素朴さを保ちながら、比較的小ぶりな編成を生かした透明感、高い機能性は特筆すべき持ち味のように思われます。いま、聞いておきたいオケですね。

今回の演奏会では、チェコの「お国もの」の代表格、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」がメインディッシュ。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」より≪ポロネーズ≫という、いかにもチェコのオケが得意そうなスラヴ系の2曲も演奏されます。

きっとどこかで聞いたことのあるメロディーだと思います。

もしできれば、どんなCDでも構わないので事前に聞き込み、なんとなく曲を覚えてから会場へ行くと、演奏の個性や面白さに気付けると思います。

若手実力派ソリストと手堅いベテランの共演に注目

協奏曲でソリストを務める松田華音さんは、以前、富士山静岡交響楽団で同じくラフマニノフのピアノ協奏曲第4番を披露。激しいパッションを打鍵に込めていくような素晴らしい演奏でした。美しい旋律に溢れた「第2番」は、超が付くほどの有名曲ですので、さらに分かりやすい形で音楽性が発揮されるものと期待します。

©Ayako Yamamoto

指揮者レオシュ・スワロフスキーさんは、誠実で、手堅いイメージがありますね。創設者のビエロフラーヴェク氏や、かつての東欧系の多くのマエストロがそうだったように、いわゆるスター路線ではないかもしれませんが、音楽の味わいが深いのです。シェフに例えれば、調味料を駆使して濃い味付けしていくというよりも、素材の味をじっくり引き出す方法を知っているーというタイプの指揮者。長く付き合っていきたい滋味のようなものを感じさせます。

©David Christian Lichtag

ご興味ある方は、ぜひ会場で生音に触れてみてください!

あまり深く考えずにオケから流れ出るサウンドに全身を浸すのが楽しむコツです。

きっと新しい風景が見えるのではないかと思います。

静岡新聞SBS有志による、”完全個人発信型コンテンツ”。既存の新聞・テレビ・ラジオでは報道しないネタから、偏愛する◯◯の話まで、ノンジャンルで取り上げます。読んでおくと、いつか何かの役に立つ……かも、しれません。お暇つぶしにどうぞ!

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