※シミズ毎日2025年5月25日号掲載の記事を一部編集して掲載しています。

美しい三保松原の景観を未来に残すためには、松葉かきが必要だと知っていますか?三保松原に生えるクロマツは、貧栄養な乾燥地でも育つのが特徴。年間を通して古い松葉を地面に落としています。

松葉が積もると土が肥えて他の植物が育ち、松の生育に影響を与えます。かつては枯れ松葉を集めて燃料として使用していたため、松葉が積もらず、松が自生しやすい環境が維持されていました。松葉かき以外にもマツ材線虫病の対策や間引きを行い、人の手によって松原を守らなければなりません。
参考文献:世界文化遺産「富士山」の構成資産三保松原をみんなで守ろう! 発行:静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」
エスパルス三保松原保全活動
三保にクラブハウス・練習場を置く清水エスパルスは静岡市、株式会社故紙センタートヨタと連携し、三保松原保全啓発事業を継続的に行っています。
三保松原保全活動の様子(写真提供:清水エスパルス)
「微力ながら少しでも地域のために役立ちたい」と話す故紙センタートヨタ髙野将史社長。ホームゲームでの三保松原保全の呼びかけ、小学生親子を対象とした三保松原学習イベントや選手参加の松葉かき体験を開催しています。また、静岡市三保松原文化創造センターみほしるべ館内を巡りながら三保松原について学べる「三保松原クイズシート2025」を作成。同館の1階展示室に配置しているのでぜひ挑戦を!
※今年の夏休み親子イベントは8月予定、選手参加保全イベントは秋以降を予定。
1000年先も美しい景観を 三保松原3ringsプロジェクト
1000年以上前の歌集「万葉集」でも詠まれた三保松原。一般社団法人「三保松原3ringsプロジェクト」は、1000年後の未来へ三保松原の景観を残すために松葉かきを開催しています。
熊手を使い枯れ松葉を集めます
2021年から活動を始め、地域住民や学生、企業など延べ6900人以上(2025年4月28日取材時)が参加してきました。活動の特徴は誰でも参加でき、参加者どうしが交流を深められること。毎週土曜日に開催し、松葉かき後は三保松原の景色とともに記念撮影をします。
回収された松葉の一部
回収した枯れ松葉の再利用にも取り組み、名刺や松葉をすきこんだ和紙を制作しています。同団の副代表理事の青木真咲さんは「三保松原は唯一無二の景観。守っていかなければならない」と力強く話しました。<参加者募集>
日時:毎週土曜(雨天中止) 10時~11時30分
申込はLINEから:https://lin.ee/QJPExAQ

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