【世界文化遺産・御穂神社】「神の道」や願いが叶う「叶え馬」など見どころたくさん!/静岡市清水区三保

シミズ毎日

新婚旅行で三保に降り立った~大己貴命と三穂津姫命~

富士山世界文化遺産構成資産の一つ「三保松原」。三保松原に古くから鎮座するのが御穂神社(静岡市清水区)です。三保松原はかつて御穂神社の社領でした。創建は不明ですが、最も古い記録は平安時代に遡ります。朝廷や今川氏、徳川氏などの武将からも篤い崇敬を受けていました。

豊臣秀吉、徳川家康が社殿を整備後、1668年に落雷のため焼失。江戸中期に再建し、静岡市指定有形文化財となっています。


羽衣の舞が奉納される舞殿の大棟の部分には、徳川家の「葵の御紋」が入っています。

主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)【別名:大国主命(おおくにぬしのみこと)・三穂津彦命(みほつひこのみこと)】と三穂津姫命(みほつひめのみこと)という夫婦の神様。新婚旅行で羽のついた空飛ぶ「羽車」に乗り、三保の浦に降臨したと伝えられています。家庭円満・縁結び、清水港の守り神・海の守り神として崇められ、地域住民には「三保大明神」と呼ばれ、親しまれています。

羽衣の松の近くには御穂神社の御祭神を祀った離宮「羽車神社」が建っています。

離宮「羽車神社」。1月1日の日の出祭は、羽車神社で神事を行います。

羽衣の松と御穂神社を結ぶ~神の道~

羽衣伝説で有名な羽衣の松は御穂神社の御神木。神社では天女の羽衣の切れ端と伝わる「羽衣の裂(れき)」を所蔵しています。

3代目、羽衣の松。

羽衣の松と御穂神社を結ぶ参道を「神の道」と呼びます。道の両側には樹齢200~300年の松並木が約500メートル続いています。主祭神の大己貴命と三穂津姫命をはじめ、海の彼方から来た神々が羽衣の松を目印に降り立ち、神の道を通って御穂神社に向かうとされています。

神の道

2月の神事「筒粥祭」では神の道を歩き波打ち際で神を迎え、竹筒に入った粥の量でその年の豊作を占います。

何でも願いが叶う「叶え馬」

神馬舎に祀られる神馬。駿府大火(1773年)の時に静岡浅間神社から2頭の馬が御穂神社へ逃げ、1頭は鎮火後に静岡浅間神社へ戻り、もう1頭は御穂神社に残ったと伝えられています。

両神社とも何でも願いが叶う「叶え馬」として信仰されています。子どもの守り神でもあります。

何のため?底が抜けた柄杓

境内の子安神社では底を抜いた柄杓を奉納する風習があり、「水がつかえず軽く抜けるような楽なお産ができますように」という安産祈願が込められています。

おみくじ・御朱印

馬のおみくじもあります!

富士山の世界文化遺産登録を記念した天女が描かれた三保松原特別御朱印(提供写真)


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御穂神社
住所: 静岡市清水区三保1073
電話番号:054-334-0828
駐車場:有(無料)

※この記事はシミズ毎日2025年5月25日発行号を一部再編集し、掲載しています。

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