東海大翔洋、初のプリンスリーグ昇格決定!FC岐阜に2−0完勝!<プリンスリーグ東海プレーオフ>
サッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ2024東海プレーオフは12月8日、竜洋スポーツ公園で昇格決定戦2試合を行った。東海大翔洋(静岡1位)は2−0でFC岐阜U-18(岐阜2位)を下し、初のプリンスリーグ昇格を決めた。もう一つの昇格決定戦は帝京大可児(岐阜1位)が3−2で東邦(愛知1位)を破った。
今季のプリンスリーグ東海は9位浜名と10位四日市中央工業(三重)の降格がすでに決定。来季のプリンスリーグ東海は東海大翔洋と帝京大可児が参入する。
西端が2戦連発、小関が追加点
東海大翔洋は序盤から攻守の切り替えの早さでFC岐阜を圧倒。90分間、相手を寄せ付けず、19本のシュートを放って完勝した。前半は得点こそ奪えなかったが、DF太田走(東海大翔洋中出身)がポスト直撃のシュートを放つなど再三相手ゴールに迫った。
風上に立った後半はさらに攻勢を強め、一方的に押し込んだ。先制点が生まれたのは後半11分。MF藤倉凰義(清水エスパルスSS静岡出身)のパスを受けたMF西端健(バンデリージャ横浜出身)が右足ダイレクトで蹴り込んだ。
14分に訪れたピンチをGK生田勢(ポルベニルカシハラ出身)のファインセーブで切り抜けると、28分にMF小関雄史(東海大翔洋中出身)が相手守備陣に果敢にプレスを掛けてボールを奪い追加点。試合の大勢を決めた。
東海大翔洋の選手や監督の試合後のコメントは次の通り。
太田監督の長男で左DF太田走主将
「選手権で全国に行きたかったですけど、翔洋に1つ残すことができてよかったです。来年もお父さんは監督を続けるので、プリンスで戦ってもらうためにも今日は勝ちたいと思っていました。(県Bリーグにいた)1年の頃はプリンスに昇格できるなんて思っていませんでした。今年は力があると言われてきましたが、総体や選手権で結果を残せず悔しい1年でした。でも最後にいい終わり方ができました。2年生たちはプリンスを経験すれば強くなっていくと思うので、毎日の練習を大切にしながら、県のタイトルを取れるように頑張ってほしいです」
先制点をアシストしたMF藤倉凰義
「前半は向かい風だったので前半0−0でオッケー、後半勝負というプラン通りでした。(アシストの場面は)中央でパスをもらった時にいつもなら右サイドに流していましたが、間接視野で左側に(西端が)見えたので、パスを出しました。今日は高校サッカーラストだったので、今までやってきたことを出すこと、全力で楽しむことを意識していました。選手権だけを目指してきたし、3年間、自分の思ったような結果が出なかったことの方が多かったですけど、最後に結果を残せて、翔洋に恩返しすることができてうれしいです」
最終ラインを統率したDF田北琉翔(清水エスパルスジュニアユース出身)
「今日はいつも通りやろうと心掛けました。個人的にはもう少しやれたと思いますが、前線が頑張ってくれたのでチームメートに感謝です。サッカーでも、学校生活でもいろいろな楽しさを共有できる最高のメンバーたちでした。選手権が終わってからモチベーション的に難しかったけれど、後輩に置き土産を残そうとみんなで言ってきました。笑って終えることができてよかったです。大学でもサッカーを続けるので、4年後、プロになって翔洋の名を高められるような選手になりたいです」
2年生アンカーの望月浩翔(東海大翔洋中出身)
「今日はビビらずに、守備で相手をつぶしながらチャンスを生かせればと思っていました。3年生と仲良くやらせてもらってきたので、悲しいし、いなくなってほしくないという気持ちが大きいですが、来年は先輩たちに『頑張っているな』と思ってもらえるような結果を出したいです。プリンスで戦えるのですごい楽しみです」
先制点を決めたMF西端健
「いいパスが来たので、自信を持って打つことができました。新人戦から選手権まで負け続けてきたので、最後に勝って終えることができて、昇格を決めることができて、うれしいです」
右サイドでチャンスを作ったMF西田堅翔(FC桜が丘出身)
「最後に自分のゴールでチームを勝たせたかったです。悔いが残っているので、大学でこの悔しさをぶつけていきたいです。スタメンを取るのは難しいと思いますが、大学で東海選抜に選ばれるように頑張っていきたいです」
太田恒治監督
ー昇格おめでとうございます。
狙い通りの試合でしたが、やっぱり苦しかったですね。前半は向かい風に立って、後半勝負という話をしていました。守備陣が最後まで集中していましたね。県Bリーグからスタートした選手たちが最後にプリンス昇格を決めてくれて良かったなと思います。
ー試合前には選手にどんなことを伝えましたか。
最後の試合なので、勝って終わろうよと。彼らは力はあったけれど、総体も選手権も県大会で負けてしまった。強かったけれど、何の記録も残っていないよなという話をしました。強かったという記憶はあっても、それは薄れていくもの。最後に何かを残して引退してほしいという話をしました。
ーどんな岐阜対策をしましたか?
昨夜、スタッフと岐阜の映像を見ました。相手はしっかりとつないでくるので、自分たちと同じだった。サッカーの戦いになれば、やりやすいし、自分たちが上だという話をしました。
ーあらためて今年のチームの優れていた点は?
チームワークと個性が共存していました。うちがテーマに掲げている『ユア・オウン・スタイル』の通り、うまい選手も多いし、ドリブラーも、フィジカル勝負の選手も、ヘディングの強い選手も、運動量でカバーする選手もいた。私生活でも本当に仲が良かったし、選手たちには絆がありました。
ー初の昇格で翔洋は新たなステージに入ります。
毎年、選手権や総体で初めてプリンスリーグの強豪と戦って『強かったな』で終わってきた。プリンスリーグ勢の強度を普段から体感したいと思っていました。全国選手権や全国総体に出場するために、とにかくプリンスリーグに上がろうと。来季は清水ユースも磐田ユースもいる中で残留するのは大変だと思うけれど、1つステージが上がって良かったなと思います。あの本気の強度を味わえるのは来年の選手たちにとってはすごく大事なことだと思っています。
ー今の2年生の戦力はどうですか。
いい選手はいます。今日出場していたアンカーの望月(浩翔)、1年生のセンターバック岩下(雄飛)が中心になると思いますが、粒はそろっています。今の3年生たちも1年前はまだまだの選手だったから、これから出てくる選手もいると思います。
ー最後に。チームをまとめてきた長男の太田(走)主将について。
自分の仕事の都合上、あいつには翔洋に進む道しか残されていませんでした(笑)。妻も娘もずっと応援を続けてきてくれたので、最後に1つ残すことができて良かったかなと思います。
昇格決定戦フォト
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