【佐野美術館の「村上康成の世界展」】デフォルメ、簡略化の手腕

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、三島市の佐野美術館で6月15日に開幕した「村上康成の世界展 うみ・やま・かわに抱かれてー絵本作家のワイルド・ライフ・アートー」。会期は8月4日まで。

これまで約230冊の絵本を世に送り出した村上さんの、原画など約230点。昆虫、魚、鳥、動物、木々など森の「生き物」をデフォルメし、簡略化する手腕に感服した。特にアサギマダラ、オオムラサキ、アオスジアゲハなどチョウの一群はそれが顕著。フォルムは極限までそぎ落とされているが、文様の特徴や配置は「ツボ」を外さない。画面の余白の作り方や、色画用紙の選択にもグラフィックデザイナーとしてのセンスの良さが光る。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1