皆さんには、忘れられない思い出の味はありますか? 様々な事情で一度は閉店してしまったけれど、多くの人たちの支えで見事復活を遂げた愛されグルメをご紹介します。
浜松が餃子の町になるより前から続く、名店の味が復活!

今でこそ“餃子の町”として知られる浜松ですが、まだ餃子の専門店などほとんどなかった昭和41年に、餃子専門店として開業した「かんべゑ」。
店主の新村隆一さんと奥さんの二人三脚で作る餃子は、たちまち人気を集め、地元の人から愛されるソウルフードになりました。
その後、後継ぎの息子さんも店で働くようになり順調そのものだったかんべゑを悲劇が襲います。
最愛の息子さんを病で亡くし、奥さんも体調を崩してしまい、当時83歳だった新村さんは一人では到底続けられないと閉店を決意。2021年に57年間続けたお店を閉店。一度は消えかけたかんべゑの味でした…。
それが、現店長・内藤温子さんによって屋号は違えど「ぎょうざ七福」での復活を果たしました。
三重県出身、結婚で浜松にやってきたという内藤さん。結婚前はかんべゑのことも知らず全くの素人でした。かんべゑ30年来のファンというご主人の熱意に押され、先代の新村さんを師匠として指導を仰ぎ、復活を手伝うことに。
新村さんから「かんべゑの味!」とお墨付きの餃子ですが、始めたころは屋号が変わったことで「味が落ちた」など心ない書き込みもありました。それでも内藤さんは店長として踏ん張ってきたそうです。
師匠の新村さんと共に味を残すため、がむしゃらに頑張ってきた結果、今では開店と同時に満席になるほど大盛況に!

仕込みに3日かけて作るモチモチカリカリの皮、ニンニクとショウガのアクセントが効いた野菜たっぷりの餡が食べた人の心に残る絶品餃子です。
昔からかんべゑを知る人や新たにファンとなった人など、多くの人から愛される店となった七福。まだまだ現役の師匠と一緒に、いつまでもおいしい餃子を作って下さいね。
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■ぎょうざ七福
住所:浜松市中央区若林町1169
営業時間:11:30〜14:30 ※売り切れ次第終了/15:00〜 ※テイクアウトのみ
定休日:日曜・月曜 ※祝日は営業