麻機沼と瀬名郷倉を訪ねる

2022年12月18日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、麻機沼と瀬名郷倉を訪ねます。
語り:春風亭昇太

野鳥の宝庫といわれる麻機沼。かつてこのあたりには、麻機沼(あさばたぬま)を回り込むように安倍川が流れ込んでいました。

大御所として駿府に移り住んだ徳川家康は、城下を水害から守るために「さつま土手」を築き、安倍川を整備したと言われています。これによって安倍川から麻機地区に流れ込む水が少なくなり、現在のような麻機沼の姿になりました。

秋から冬にかけて、この沼で収穫される麻機蓮根は細身で、味が濃く、糸を引く粘りが特徴で昔から、上質な蓮根として栽培が続けられてきました。漢方に精通していた家康公が、カラダに良い食べ物として、この蓮根を食していたともいわれています。

麻機の東に広がるのは田畑の緑豊かな瀬名地区。瀬名には、江戸時代農民たちの共同倉庫であった「郷倉」が残されています。年貢米や飢饉のときのための備蓄米を保存した建物は、火災を防ぐため、厚い土壁をもった土蔵造で、外壁は白い漆喰と、腰瓦で固められています。

郷倉の隣には、盗難や天災から郷倉をまもる番人が住んでいた「番屋」も残されています。郷倉は番人が寝泊りして守るほど村にとって、大切なものであったのです。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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