みなさん、こんにちは!
今回は「同僚をクラシック演奏会に連れて行ってみた」企画の第2弾!年末の風物詩「第九」(ベートーヴェン作曲「交響曲第9番」)の演奏会です。コラムの最後に私が好きなお薦めの「第九」音源も紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
12月20日、同僚3人を連れて訪れたのは、日本を代表するクラシック音楽の殿堂サントリーホール(東京都港区)。3人とも「第九」の生演奏に触れるのは初めて。さらに、サントリーホールを訪れるのも初めて、とのことでした。
自筆譜がユネスコ“世界記憶遺産”にもなっている名曲中の名曲
もはや説明不要かもしれませんが、ベートーヴェンの「第九」はオーケストラと合唱、独唱4人で演奏される演奏時間約70分の大曲。ヨーロッパではEU統合の象徴でもあり、自筆譜がユネスコのいわゆる“世界記憶遺産”にもなっている名曲中の名曲です。
今回聴いたのは、読売日本交響楽団(読響)の「特別演奏会」!
夏の第1弾と同様、わたくし遠藤の独断で選んだのですが、理由は明快です。
バス独唱として袋井市出身の加藤宏隆さんが出演されること、実力派のメゾ・ソプラノとしてお名前を聞くことが増えた山下裕賀さんの歌声を聴いてみたいという主に2点でした。山下さんは、10〜11月に浜松市で開催された静岡国際オペラコンクールで「三浦環特別賞」も受賞されていましたので、ご存知の方も多いですよね。
読響や新国立劇場合唱団、他の出演者の素晴らしさも、折り紙付きでした。
ついにサントリーホールへ!期待通りの反応にシメシメ
参加してくれた同僚は上司の柏木さん、後輩の片瀬さん、前回に引き続き参加の先輩小泉さん。3人は普段、それぞれ違う部署で仕事をしています。ホール前のカラヤン広場で待ち合わせ、3人ともワクワク、ソワソワ…。

そして、ついに開場!
「うわ〜、ここがあのサントリーホールかぁ‼」
エントランスに入るなり、同僚3人とも予想通りの良い反応笑!

ホール内に入ると「ついに来た〜」という感じのテンションでした。
幾度も訪れている私としては、心の中で「狙い通り、シメシメ〜!」と思っていたわけです。

新鮮な響きと堂に入った歌声
オーケストラの演奏は、弦楽器のビブラートを抑制し、管楽器や打楽器に瞬発力ある音を求める古楽風のアプローチ。聴き馴染んだ響きとは一味違い、どこを取っても新鮮に感じられるものでした。今回は、前から2列目の第1ヴァイオリンの前あたりで聴きました。同僚3人は舞台をまっすぐ見つめて、とても真剣な表情で聴き入っていました。
それぞれ、いたく感動してくれたようで、今回もやってよかった!
私が聴きたかった加藤さん、山下さんの歌声は堂に入ったもので、予想通り最高!!生演奏が放つ情報量はCD録音などとは比較になりませんので、やはり会場に来ないと分かりません。言葉で説明しきれないのが歯がゆいです。
みなさんも、たまには都内に足を伸ばし、非日常の空間で音楽を味わってみてはいかがでしょうか。サントリーホールのカレンダーを参考に貼っておきますので、興味のある演目や演奏家の公演を探してみてくださいね。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/
最後に、私のお薦めの「第九」音源として、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を紹介します!比較的手に入りやすく、作品の魅力がダイレクトに伝わる名盤です!
https://www.universal-music.co.jp/leonard-bernstein/products/uccg-41006/
では、また。

【柏木さん感想〈第九を全曲聴くのは初めて!〉】
子どもの頃に9年間ピアノを習っていましたが、子育てが一段落するまでクラシックの演奏会からは遠ざかっていました。生で「第九」を鑑賞してみると約70分の演奏があっという間に感じられました。じわじわと熱を帯びていく疾走感あふれる音、予測不可能な展開にぐいぐいと引き込まれました。
時代背景や歌詞の意味にとらわれず、音に聴き入ってみると、変化に富んで予想を裏切る構成は喜怒哀楽に満ちた人生のようだと感じました。そこに自身を重ね合わせてしまう人が多いから、年末に聞きたくなるのかも…と思いました。終演後、「全て出し切った」という表情でマエストロを見上げたチェリスト遠藤真理さんの笑顔が清々しく、こちらまで爽快な気持ちになりました。
【片瀬さん感想〈むかしオーケストラの経験があるらしい!〉】
前から2列目という良席で、指揮者の姿を横から覗くことができました。全身の動きだけでなく、表情や視線などで演奏者とコミュニケーションを取っており、指揮者を見ているだけでもひとつのエンターテインメントでした。 秩序ある演奏の一方で、視界に入ってくるのは各々自由に動く演奏者たちの姿。同じ楽器でも、大きく体を動かしダイナミックに演奏している人や、動きは少なく指揮者とのコンタクトに集中しているように見える人などさまざまでした。
楽器ごとに異なる譜めくりのタイミングや演奏者の様子は、生で見て初めて面白さが分かる部分でした。 今回初めて、舞台の裏側の席(いわゆるP席)というものがあることを知りました。プレーヤーと同じ視線で指揮者と向かい合えるなんて、とても魅力的!次の目標ができました。
【小泉さん感想〈社内屈指の隠れクラオタ〉】
初めてのサントリーホール、音に包まれるというか、天井から降ってくるような音の響きが心地よかったです。席がバイオリンの目の前だったため、演奏する姿から個性が見られて興味深かったです。CDでは聞こえないような音までよく聞こえて、新しい発見もありました。
オケは安心して乗っていられる国産乗用車のようで、出だし等の小さい音からアタック、無音部分までしっかりそろっているように聞こえ、技術の高さを感じました。終演後は、クリスマス前だというのに、もう年末だなぁと実感しました。初めて生で聞く第九。やはり生音はいいなあとしみじみ思いました。