クラシック音楽に詳しくない同僚をコンサートに連れて行ってみたら、めちゃめちゃ新鮮でした!国内屈指の音楽ホール「ミューザ川崎」に行ってきました!


みなさん、こんにちは!
編集局紙面編集部の遠藤竜哉です。

前々から温めていた計画が、ついに実現しました!!

「クラシックに詳しくない同僚を演奏会に連れて行ってみよう〜」企画…!笑

職場の同僚に声をかけ、予習なしでプロオーケストラの演奏会に来てもらい、見たまま・ありのまま、同僚の様子をレポートしちゃおう、という趣旨です笑。

そんな企画に賛同してくれる同僚が果たしているのか??という心の声を鈍感力でスルーし、広く声をかけたところ、なんと手を挙げてくれた人が多数(?!)

今回は、その中から、私が事前に独断で選んだ演奏会に日程を合わせられる2人と、川崎市のホールまで行ってきました!

ちょっと長めですが、最後まで読んでいただけるとうれしいです!

国内屈指のホール「ミューザ川崎」の音楽祭

今回選んだのは、川崎市にある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で7月22日〜8月11日に開催された「フェスタサマーミューザ」。首都圏などのプロオーケストラが日替わりで川崎を訪れ、リーズナブルな価格で演奏を披露してくれる音楽祭です。

普段クラシックを聴く機会が少ない人も楽しめる名企画!

私たちは8月9日の「日本フィルハーモニー交響楽団」の演奏会に行ってきました。

【曲目】
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
菅野祐悟:サクソフォン協奏曲「Mystic Forest」
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」
指揮:カーチュン・ウォン氏
サックス:須川展也氏(浜松市出身)

参加してくれた、先輩の小泉さんと後輩の宮本さん

参加してくれた同僚を紹介します。

オケは好きだけど「詳しくはない」という小泉さん(先輩)

クラシック初心者で、今回が初のコンサート体験となった宮本さん(後輩)

そして、わたくし遠藤

「両国」!?みたいなホールの形にびっくり

ホールに入るなり、宮本さんが「両国の国技館みたいですね」と。


「はい??」と思いましたが、言われてみると確かに…。
宮本さん、もしかして相撲ファン!?

ミューザは中央の舞台を客席が360度取り囲む「ヴィンヤード形式」が採用されていて、ワインの段々畑のようになっています。宮本さんいわく「棚田風」…。

なるほどね!

客席が舞台を囲むミューザ川崎シンフォニーホール ©︎青柳聡(同ホール提供)


あえて選んだのは、オーケストラを後方から見下ろす位置の座席。
指揮者によるプレトークがあったので、早めに着席しました。

小泉さんの爆弾発言!!!

旅好きの小泉さんが「ベルリンのフィルハーモニー(独ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地)とウォルト・ディズニーホール(米ロサンゼルス・フィルハーモニックの本拠地)に行ったことがある」と、いまさら爆弾発言。


「えーっ!なんと!!」※ちなみに、私はどちらも行ったことがありません。

ただし、日本の本格的なコンサートホール(サントリーホールやミューザ川崎など)には行ったことがないそうで、そもそも日本のオケをほとんど聞いたことがないらしい…。「知識はないけど、興味はあるんだよね」とのことでした。

珍しい人もいるものですね…(汗)!!

そんな小泉さんも、ホールに入るとやはり感激した様子でした。

宮本さんの素直な感性にたじたじ

プレトークが終わると、打楽器やコントラバスの奏者が舞台で準備を始めました。

「なんで、打楽器とコントラバスだけ先に来るんですかね?」と、宮本さん。

「え??」そんな急に聞かれてもだなぁ…
先輩もコマッテしまうなぁ…汗

ホールに着く前「質問があればなんでも答えるよ」と言い放ってしまった手前…!

「早めのご出勤、的なことですかね?」と言うので「でっかい楽器は舞台から下げられないしね…!」と答えてみたものの、次の瞬間、オーボエ奏者が手に楽器を持ってスタスタと舞台上へ“早めにご出勤”してくるではありませんか!

私はすっかり白目状態でした笑。

椅子の使い方もいろいろ

また、奏者によって、ピアノ椅子を使っていたり、通常のオケ奏者用の椅子であっても2つ重ねて使っていたり、いろいろなケースがありますよね。

でも、改めて「なぜ」と聞かれると、さあ、なんででしょう笑。座高??

いやぁ、なんだか新鮮…!!
私は見慣れてしまっていましたが、疑問に思うってやっぱり大事!!

オケの醍醐味が詰まったサウンドに感激

1曲目の「運命の力」序曲。オケの醍醐味が凝縮したキラキラの響き!
2曲目はドラマやアニメのテーマ音楽などで知られる菅野祐悟さんが作曲したサクソフォン協奏曲。委嘱者でもある浜松出身の須川展也さんが歌心たっぷりに演奏してくださり、うわ〜サックスってカッコいいな!と思いました。

サックスの須川展也氏(中央)と日本フィルハーモニー交響楽団 ©︎Y.Masuda
(ミューザ川崎シンフォニーホール提供)


須川さんのカーテンコールの際に「弦楽器の人って、弓を振って“拍手”するんですね」と宮本さん。確かに、そういうものだと思ってきましたが、なぜなんでしょうね…笑。弓のためには、あまり振らない方がよい気がするのですが。

今度、誰かにきいてみよう…。

須川氏(中央)のソロを支える、指揮のカーチュン・ウォン氏(奥)©︎Y.Masuda(ミューザ川崎シンフォニーホール提供)


3曲目の「展覧会の絵」は金管がよく鳴って、充実したサウンドでした!
しかもオケ中のサックスのソロは須川さんですよ!?これは贅沢すぎるでしょう??個人的には、果敢に攻め込んでくるホルンが大好きでした。

指揮者のカーチュン氏は本当に明晰な方とお見受けして、音楽をどう作りたいのか、どちらの方向へ持っていきたいのかよくわかる、クリアな棒さばきでした。

アンコールに「ニムロッド」

3曲が終わり、カーチュン氏が客席に向かって「お静かに」のようなポーズをしていたので、何かと思うと、そのまま腕をゆっくりとおろし、アンコールへ。

エルガーの「エニグマ変奏曲」から「ニムロッド」でした。

まんまと“術中”にはまり、ジーンとしちゃいました…。
「展覧会の絵」から「ニムロッド」の流れは予想できません〜!
ニクいというか、もはやズルい!

こんなに感動してもらえたことに、私が感動笑

終演し、感想を聞こうと、宮本さんの方を見ると、感動に打ち震えてプルプルして泣きそうになっていました(汗)

「雄大な山を見ちゃった感じ」
「わたし、おのれの小ささを知りました」
「感動しすぎて、あしたが心配」 等々。

さすが記者!感性あふれるコメント!

これだけ感動してもらえると、来た甲斐があった!

小泉さんは「まじいい演奏だった〜、来て良かったわ〜」と達観していました笑。

実は「自分も知らないことだらけ」だった!!

協奏曲や「展覧会の絵」で使われていた「のど自慢みたいな鐘」は「チャイム」という打楽器!では、協奏曲で登場した鳥籠状の甲高い音を出す打楽器は!?

あれはなんだったのでしょうか?
調べましたが、よく分かりませんでした。

須川先生に楽屋であいさつ、感激を伝えました

楽屋にサックス奏者・須川先生を訪ね、あいさつしてきました。
浜松出身、われらが須川先生!!


1840年代に考案されたサックスは、吹奏楽では主役ですが、管弦楽(通常のオーケストラ)では使われることが比較的少ない楽器といわれます。

須川先生からは、オケのファンにもサックスの魅力をもっと伝えていきたいとの思いや、そうした思いを背景に作品委嘱やオケ中での演奏に積極的に取り組んでおられるーとのお話を伺い、演奏会がより充実したものに感じられたのでした。

9月に清水で「夢の共演」を聞くことができます

実は、9月に静岡市清水区ですごい演奏会があります!!

須川展也(サクソフォン)& 野平一郎(ピアノ)
デュオ・コンサート

2023年9月3日
静岡市清水文化会館マリナート
開場13:30 開演14:00

(参考:マリナート演奏会情報)
https://www.marinart.jp/event/index.html?h=0&m=239

ともに静岡に縁をもつ、サックスとピアノの重鎮によるデュオ。
東京だと、重鎮すぎてかえって共演機会を得にくい組み合わせではないでしょうか!静岡だからこそ、可能なコンサートなんだと思いますよ!

須川先生いわく、この演奏会は、フランスの作曲家による作品から始まり、バッハと野平先生の自作で頂点を迎えて、またフランスものに帰ってくるーという、いわば「富士山型」の構成とのこと!音楽ファン、必聴です!!

ぜひ、演奏会には定期的に通ってほしい

やはり生演奏は得られる情報量が違いますし、感動もガツーンときます。
曲もいろいろですので、小泉さん、宮本さんがこれからも定期的にクラシックの演奏会に通ってくれれば、それ以上うれしいことはありません!

静岡からだと、首都圏での演奏会に「思いつきで行く」のはなかなか厳しいですが、県内のホールや楽団も優れた企画を多く発信していますし、来演してくれる県外のオケも確実に増えていますよね!

ぜひ、これからも興味を持ち続けてくださいね!

ミューザ川崎シンフォニーホール(中央)の外観 ©︎T.Tairadate
(同ホール提供)

【参考】
ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/facilities/hall/


取材にご協力いただきました、日本フィルハーモニー交響楽団様、ミューザ川崎シンフォニーホール様、須川先生、および関係者の皆様に御礼申し上げます。

では、また!

◼️小泉さん感想
今回は、初めてオケと同じように指揮者に相対する席での鑑賞でした。カーチュンさんのキッパリとした指揮は、どの楽器をどれだけ鳴らしたいのか意図がよく伝わってきました。おかげで、まるで一緒に自分も演奏しているかのように楽しむことができました。久しぶりのオーケストラの生音。デスクワークでなまった体の感覚がシャキッと生き返ったようです。これを機に、国内の色々なオケの演奏を聴き比べたら面白そうだなと思いました。

◼️宮本さん感想
当日、ミューザ川崎に到着すると、両国国技館2階席と似た流れで入場。席につくまでに感じられる高揚感は、オケも相撲も映画も変わらなかったです。今回はオケ正面ではなく右手2階席からの鑑賞。雄大な山を上空から見下ろしているような、不思議な気分でした。次は正面から、オケを見上げて聞いてみたくなりました。世界が広がる経験をさせていただきました!

静岡新聞SBS有志による、”完全個人発信型コンテンツ”。既存の新聞・テレビ・ラジオでは報道しないネタから、偏愛する◯◯の話まで、ノンジャンルで取り上げます。読んでおくと、いつか何かの役に立つ……かも、しれません。お暇つぶしにどうぞ!

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