【広がる自転車の楽しみ】移動手段からレジャーのツールに。楽しめるスポットやイベントが増加中!
(山本)自転車の楽しみが広がっています。通勤通学などの移動手段としての存在から、レジャーのツールとして、様々な楽しみ方が増えています。元々サイクルツーリズムが盛んな静岡県ですが、東京五輪のレガシーとして、環境整備も進んできています。
(山田)東京オリンピックでは、静岡県は自転車競技の会場でもありましたからね。
(山本)皆さんも通勤通学などで少なからず自転車に乗ったりすると思うんですが、それ以外にレジャーのツールとして、楽しみとして乗るパターンが増えています。
静岡新聞で水曜日に「しずおかアウトドアファン」という紙面を作っていますが、4月以降にもう4回も「自転車×アウトドア」というテーマで取材しました。それでもとても伝えきれてはいないんですが、振り返ってみると、多様な楽しみ方がある乗り物だなということが分かってきて、私も取材を通じて初めて知ったことがありました。実際に乗ってみて、すごく楽しかったです。
(山田)今日はその紙面を振り返りながらのお話です。
県内各地で多彩なイベント
(山本)地元の方や関係者の皆さんには以前から知られていますが、「ハマイチ」という浜名湖を1周するイベントを毎年、3月半ばごろに開いています。レースではなく、自転車に乗ることを楽しむイベントです。4月には、掛川を主会場に「ゆるゆる遠州ガイドライド」といって、いろんなコースを作り、地元の方の案内で地域の魅力を知るという楽しいイベントがあります。皆さん自分の自転車を持ってきて参加するんです。
(山田)面白そう。
(山本)6月の記事では、東京五輪をきっかけに、マウンテンバイク(MTB)を一般の方も楽しめるようなスポットが整備されてきたことを紹介しました。東京五輪の競技会場は県東部だったんですが、西部にもコースができたりして、MTBをアウトドアとして楽しむ人も結構いるということです。
9月には、富士宮でヤマハ発動機の関連会社が主催するEバイクのイベントがありました。 Eバイクというのは、電動アシスト付きの自転車のことです。
(山田)いいバイクがあるんですよね。
(山本)これを使うとあまり力を入れなくてもこぐことができ、長い距離を楽に走れます。坂道も走れるということで、これを楽しむイベントが富士山周辺で開かれました。
10月下旬には、伊豆市、伊豆の国市ほか狩野川の周辺で、自分の自転車を持っていきツアーを楽しむという「伊豆狩野川ガイドサイクリング」というイベントも取材しました。これ以外にもイベントはあり、「皆さん楽しんで参加しているな」という印象を強く受けました。
(山田)静岡新聞の紙面で取り上げてるだけでもこれだけあるわけですから、まだまだあるということなんですね。実際に山本さんも乗ったり。
(山本)電動アシスト付きのマウンテンバイク「E-MTB」を使って、掛川を拠点に山へ行くモニターツアーがあるということで、それに参加しました。「山なんて自転車で行くようなところじゃない」と思っていたら、全然そうではなく、楽なんですね。
(山田)実際乗ったんですか。
(山本)乗ってきました。25キロぐらい、結構な距離を走ったんですが、健康な人だったらほとんど疲れないぐらいのペダルの軽さで、こぐときに前に押し出してくれるので、加速が非常に楽なんですね。
時速20キロぐらい、ちょっと怖くなるぐらいスピードを出したりしながら、山道を上り、下っててきました。これは掛川市や森町の森林組合が主催する催しで、林業の現場を見に行くツアーでした。車だとちょっと大変なところも、自転車だと一度に20人ぐらいと一緒に行けちゃうんです。そんなところに行くことは、山登りでもしない限りないので、またとない体験ができました。
(山田)しかもちゃんと運動になってるのもいいですよね。
(山本)疲れないと言いましたけど、そこそこ運動になりましたし、本当に面白いなと思いました。
(山田)僕もミニベロという電動アシスト付き自転車を持ってるんですが、電動じゃない人たちを、どんどん抜いていけるっていう、爽快感はあります。自転車の楽しみはたくさんありますね。
(山本)イベントに参加している方にいろいろ話を聞いてみました。ロードバイクに乗っている方は、40代の女性は、何か趣味を持ちたいなということで始めたと。通勤、通学に使っていた以来乗っておらず、バランスを取るのはなかなか難しいけど、ネットの動画を参考に乗り方を勉強したり、一緒に走ってくれる仲間に教えてもらったりしているそうです。行動範囲が広がって、車では行けないところへ行けるのが楽しいと話していました。
(山田)車だと見落としちゃうお店や景色は、自転車だとちゃんと見ることができますし、発見もあるんですよね。お金も結構かかりますけどね。
(山本)50代の男性会社員の方は、50万円ぐらいの自転車で、3台目と言っていました。サイクリングを楽しむ会があると県外にも車で出かけていき、そこで走って帰ってくるというのが何にも代え難い楽しみということでした。お金はかけながらも楽しんでいますね。
(山田)本格的にやってる方って、スパッツみたいなのを着てるじゃないですか。動きやすさや速乾性があったりするから、そこまでガチでやったら楽しいかも知れないな。
(山本)先ほど話した掛川のゆるゆるガイドライドや伊豆半島のガイドサイクリングには、ミニベロ出の参加者もいました。スニーカーで参加している方もいましたし、そういう初心者向けのコースが設けられるイベントもあります。
(山田)楽しみ方が本当に自由なんですね。
(山本)最近はバリエーションが豊富で、自分の形で楽しめる時代になってきたのかなと思いますね。
行った先の地域の魅力も楽しめる!
(山田)自転車と観光ってところも一緒になってきますよね。
(山本)何が楽しいかというと、行った先でお店を回って食べたりして、地域の魅力に触れることです。伊豆のイベントはそういう形で、もう「食べまくりイベント」みたいなものでした。ちょっと走っては止まっておはぎを食べ、またちょっと止まってパンを食べて、という感じで。走るだけではなく、そんな楽しみ方もできる催しでした。地域への波及効果も結構あるんじゃないかなと思います。
(山田)サイクルツーリズムっていうんですよね。
(山本)行政も、道路に矢羽根型の青い路面表示をしたり、サイクルスタンドをポイントごとに置いたりしていて、少しずつ環境整備が進んではいます。ただ、やはり行政や一部の愛好家だけでは地域の魅力は十分に伝えられないので、お店やキーになる人を巻き込んで、みんなで、サイクルツーリングを盛り上げていけばいいと思います。
(山田)せっかく、自転車競技が東京五輪で行われた県でもありますから、自転車を盛り上げていけたらいいですよね。今日の勉強はこれでおしまい!
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