【佐伯誠著「遠く、近く 掛井五郎のこと」】掛井五郎さんの人となり

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は2021年11月22日に亡くなった彫刻家掛井五郎さん(静岡市出身)の思い出を文筆家佐伯誠さんがつづったエッセー集「遠く、近く 掛井五郎のこと」(リトルギフトブックス)。


掛井五郎さんと家族を見詰めた佐伯さんの描写が優しい。短文20編は、「マエストロ」と呼びならわす掛井さんへの敬意と思慕に満ちている。「ボクには慶喜の血が流れているかもしれないよ」といった発言、ウナギが大好物だったこと、歌手レナード・コーエンの楽曲を流しながら講義していたこと―。佐伯さんが知る掛井さんのエピソードは、全て作品に直結する。明かされる人となりに意外性がないのが、この美術家の特異なところだろう。

 

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