【山本恵一郎さんの「スピリチュアル・ジャンキー 文学に憑かれた日々」】静岡は梁山泊か 「面白いヤツ」勢揃い

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、作家小川国夫の評伝で知られる文筆家山本恵一郎さん(静岡市駿河区)が1960年代から2010年代までの静岡県中部エリアの文学シーンを描いた「スピリチュアル・ジャンキー 文学に憑かれた日々」(2023年、羽衣出版)。

紙幅の多くは1960~80年代に費やされる。文学に殉じることも辞さない若き「ジャンキー」たちの生態と論争。小川さん、臼井太衛さん、岩崎芳生さん、谷川昇さん、有村英治さん―。当時の県内「文壇」の主要人物が次々出てくる。クセのある豪傑がやりあうさまは、まるで「水滸伝」。議論し、暴れ、なだめられ。文学が「表現の最先端」だった時代。えりすぐりの「面白いヤツ」がこぞってこのジャンルに首を突っ込んでいたことが、理解できる。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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