「悩んでいる人が暮らしやすくなれたら」高校生が広げる"生理を自分事に" 男子生徒も「無知からくる怖さ消え壁なくなった」【SDGs】

人間のさまざまな生理現象の中でもとりわけ、話題にしづらい『生理』。これを誰もが『自分事』として捉え、身近に感じることができる社会を目指して活動する高校生がいます。

全校合わせて約1000人が学ぶ浜松開誠館中学校・高校(浜松市中央区)。生徒が放課後、定期的に行っていることがあります。この学校では、女子生徒用のトイレに生理用品が置かれています。補充するのは生徒たち。主な費用は募金で賄いました。

これは生徒がはじめた「生理を身近に」という活動のひとつです。きっかけは、ひとりの女子生徒が公共のトイレでふと感じた疑問でした。

「当たり前って変えられる」

<プロジェクトの立ち上げメンバー 町田奈菜子さん(大学2年)>
「トイレットペーパーは無料なのに、なぜナプキンは違うんだろうとふと思った。同じ生理現象なのに、生理用品だけが女性個人の責任と扱われてしまっていて『女性だから当たり前』という言葉では済ませたくなかった」

活動がスタートしたのは2023年。まず、変えたのは、生理を「タブー視する」雰囲気でした。生徒や教員に直接インタビューして啓発動画を作ったり、文化祭でもブースを設けて生理用品を展示したりしました。すると生徒に変化が現れたといいます。

<浜松開誠館中学校・高校 ラルジー シャネル教諭>
「女子生徒たちが『生理痛がひどくて、これはできません』と気兼ねなく私に話してくれるようになってきた」

<町田さん>
「当たり前って変えられるんだとすごく思った」

いつしか、生理の話をごく自然に口に出せる環境が芽生えたといいます。

男子生徒もプロジェクトに参加

このプロジェクトには、男子生徒も参加しています。

<海野大河さん(高校3年)>
「女性が暮らしやすい社会を作っていきたい。まず、何を知らなければいけないかと考えた時に、まず生理を知らなければと思った」

この活動を始めて生理に対する考え方は確実に変わったといいます。

<松橋孝英さん(高校3年)>
「無知からくる怖さなどが消えたことで男女の壁がなくなったように感じた」

浜松市の『ウエルネスアワード』で大賞受賞

6月13日に開かれた文化祭。プロジェクトでは、浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センター「あいホール」の協力を得て、教室にブースを設け、生理に関するクイズやさまざまな生理用品を展示しました。ブースには、老若男女が立ち寄り、校内を練り歩いて呼び掛けた生理用品を購入するための募金活動にも多くの人が協力してくれました。

<他校の男子生徒>
Q. 生理と向き合うことは考えたことは?
「あんまり考えたことはない。言っていいのかなって。理解がないから」
「男も理解しないと」

<来場した大人>
「若い子たちの方が新しい情報に柔軟に対応できると思う。より(生理について)発信して広めてもらえたら」

<町田さん>
「2年前、私がここでブースを紹介した時に比べて、人の入りがすごく多くなっている。後輩たちは明るい雰囲気で生理を伝える活動を私たちの代よりうまくやっている。私たちの思いがちゃんと受け継がれている」

どこか「他人事」で触れづらかった「生理」を、「自分事」として考える。すべての人が、自分らしく生きられる社会になることが生徒たちの願いです。

<鈴木愛菜さん(高校3年)>
「校内だけでなく、地域の方などに生理についてもっと知ってもらい、女性、そして生理で悩んでいる人がより生活しやすくなれたら」

この活動は、男子生徒も巻き込む独自性の高さなどが評価され、2026年の浜松市の『ウエルネスアワード』の市民健幸部門で大賞を受賞しました。

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