
静岡県西部12の市町村が合併し、いまの浜松市が誕生して7月1日で20年となります。この20年間で、まちの形が大きく変わりました。中には、長年親しまれてきた「名前」が消えた地域もあります。
7月1日午後、開かれた浜松市の合併20周年の記念式典。会場では、これまでの歩みを振り返る映像が流されたほか、市内の高校生による合唱や演奏、地元・静岡文化芸術大学の学生が制作した楽器、ウナギなどの浜松の特産をモチーフにした記念のロゴマークが発表されました。
<浜松市 中野祐介市長>
「この合併20周年という節目を一つの契機として、改めてそれぞれの地域の特色や伝統を活かしてさらなる魅力向上の活性化につなげていきます。」
20年前の7月1日、浜松や天竜、三ケ日など12の市町村がひとつとなり、県内で最も大きな面積と人口を誇る新しい浜松市が生まれました。あれから20年。浜松は政令市となり、まちの形も大きく様変わりしました。そのひとつが浜北です。
<浜北商工会女性部 太田好美さん>
「浜北がなくなる、浜北市がなくなるということは生まれた時から育ってきたので、とても寂しい思いでした」

太田さんが暮らす浜北は、もともと「浜北市」でした。それが合併によって、住所表記が何度も変わり。
<清水英之記者(2023年12月撮影)>
「浜北区役所の『北』の部分の撤去作業が終わりました」
ついには、2024年の区の再編で、「浜北」という地名までもがなくなってしまいました。そこで、太田さんたち浜北商工会の女性部が考えたのが、「浜北」の名前が付いた名物をつくること。
地元のまつりで長く売られてきた人気カレーのレシピを生かして、レトルト商品を作りました。名前は「はまきたカレーヌ」としました。
<太田さん>
「とにかく『カレーヌ』を残せれば、これからの世代の人たちにも記憶に残っていってもらえると思うので、バージョンアップしていって残していきたい」
今後も地域が持つさまざまな地域資源や魅力を発信し、盛り上げていきたいとしています。