合併から20年の節目 人口減少問題や長期的な財政運営などの課題も…現職と新人の一騎打ち 両候補の訴え 掛川・磐田市の市長選挙=静岡

静岡県内の「ミニ統一地方選」が始まり、掛川市、磐田市では現職と新人による一騎打ちの市長選となっています。掛川市長選には、現職の久保田崇さんと新人の平出隆敏さんが立候補。磐田市長選には、現職の草地博昭さんと新人の柏木健さんが立候補しました。

それぞれの候補者の訴えをまとめました。

<現職 久保田崇さん(48)>
「持続可能性が(市の)大きな課題になっている。掛川市だったら、他の街がまねをしたくなるような持続可能なモデル都市ができるんじゃないかと思っています」

2期目を目指す現職の久保田崇さん48歳。次世代型の公共交通の導入や空き家対策について訴え、持続可能な社会に向けた政策を積極的に取り組むと主張します。

<新人 平出隆敏さん(55)>
「私は今回の市長選を通じて、政治の流れを変えていきたい。ここにいるみなさん全員で掛川を取り戻していきましょう」

新人の平出隆敏さん55歳は元掛川市の職員です。現在の財政管理を問題視していて、特に立て直しが決まっている市内の廃棄物処理施設については、ごみの外部搬出にかかるコストの見直しや計画の再検証が必要と指摘しています。

磐田市長選も現職と新人の一騎打ちとなっています。

<現職 草地博昭さん(43)>
「人が集まって、賑やかになって、これからの世代も、今の世代もみんなが幸せに、笑顔になれるような磐田市にしていきたい」

現職で2期目を目指す草地博昭さん、43歳です。草地さんは、次世代が将来に希望を持てる持続可能な安心できる街、人が集まる磐田市を実現すると掲げています。

<新人 柏木健さん(56)>
「ふるさと納税をまず、20億円以上にして、これを商品券事業で市民の皆さんに還元したい」

新人で元市議会議員の柏木健さん、56歳です。柏木さんは、ふるさと納税の税収を20億円以上に伸ばしプレミアム商品券を通じて市民に還元するなど物価高対策を訴えています。

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
取材にあたっている浜松総局の中西記者です。

<浜松総局 中西結香記者>
掛川、磐田ともに「平成の大合併」から20年を迎え、節目の選挙戦ともいえます。

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
掛川市は2005年に掛川、大東、大須賀の1市2町が合併しました。

<浜松総局 中西結香記者>
合併後の掛川市の財政調整基金をまとめました。「財調」はいわゆる自治体の貯金にあたります。ここ10年近くをみると6億円ほど減少していて担当者は危機感を募らせています。

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
全国的にどの自治体も人口減少は課題ですが、中心部と周辺部の減少率の違いをどう補っていくのか課題になりそうですね。磐田市は2005年に磐田、福田、竜洋、豊田、豊岡の5つの市町村が合併しました。

<浜松総局 中西結香記者>
磐田市は合併前の地域ごとに人口の増減をみてみました。2016年度と2024年度の比較にはなりますが中心部の磐田地区はそれほど減っていない一方、旧福田は-9.3%、旧豊岡は-6.4%などと減少率に差があります。地域学を専門とする静岡産業大学の小泉教授に財政的な課題などを聞きました。

<静岡産業大学 小泉祐一郎教授>
「公共施設の維持修繕費がこれから非常に増えてくる。文化施設や体育館、公共施設を引き継いでいるので、維持管理費が出てくるという意味では、財政的な問題もある。建て替えも含めて、公共施設の見直しが必要になってくる」

合併から20年、そして将来を見据えた際、これからのかじ取りに求められることとは。

<静岡産業大学 小泉祐一郎教授>
「官民連携をいかに進めていくかが、両方の市長さんにとってさらに重要になる。(民間が)新しくチャレンジすることや、創業したり、事業展開することを行政がサポートして応援していくことが非常に重要」

合併から20年という節目の市長選、人口減少問題や長期的な財政運営など課題は少なくありません。

掛川、磐田いずれも4月20日が投票日で即日開票されます。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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