
皆さんは「ハナビラタケ」をご存じですか。標高1000メートル以上の場所に生えていることから「幻のキノコ」とも呼ばれています。
このキノコで起死回生を図った会社が、静岡県島田市にあります。異業種からの参入がもたらした成果とは。
静岡市葵区の中華料理店です。人気メニューは一風変わった麻婆豆腐。この料理の主役となる食材の1つが「ハナビラタケ」です。

<桜梅桃李 飯岡靖章オーナーシェフ>
「こりこりしている食感で。腸活、美肌効果、疲労回復にも作用があるということなので、とてもいい食材だと思う」
■"もともとは工業製品を作る会社"の挑戦

このキノコは島田市で生産されています。こちらの会社ではハナビラタケを「ホホホタケ」という名前で売り出しています。
成長具合によって4つの部屋に分け、温度と湿度を細かく調整し、丁寧に育てています。実はこの会社、本業は農業ではありません。
<大井川電機製作所 佐々木孝行社長>
「我々はもともと工業製品を作っている会社。常に安定して高品質のものを作ることにこだわって栽培している」
大井川電機製作所は、自動車のウインカーやブレーキランプなどに使われる電球が主力商品のメーカーです。
創業以来、白熱電球一筋の会社が直面したのが、エコを売りにするLED電球の登場でした。
<大井川電機製作所 佐々木社長>
「自動車用の電球は、以前は白熱電球がたくさん使われていたが、ここ数年はLED化で白熱電球の需要がだんだん少なくなってきている」
■苦難の連続だった新規事業

このままでは生き残れない。
その危機感から新規事業のプロジェクトチームを始動。便利屋や学習塾などいろんな案が出た中でその目新しさからキノコ生産に乗り出すことに決めました。
ただ、最初は苦難の連続でした。
<当時のプロジェクトメンバー 宮田健二さん>
「しっかりとした殺菌設備とかキノコをやる設備がなくて、電球の工場で余ってる使ってない機器を応用して使ってたこともあって、色も黄色や茶色で触るとボロボロ崩れちゃうとか、そういう失敗の連続だった」
■3年・3億円かけて確立した生産方法
この会社ではハナビラタケを栽培するための菌床から研究・開発を始め約3年、3億円をかけて現在の生産方法にたどり着きました。
現在は、月に2万トンを生産、会社の収益の1つの柱になりつつありますが、夢はさらに膨らんでいます。
<大井川電機製作所 佐々木社長>
「まずは静岡県・地元を中心に広げていって、最終的には全国どこでもホホホタケが食べられる状態にしたいと思っている」
電球を製造している会社が、会社の未来を心配し、それまでつくった経験もなかった分野にチャレンジしました。
新事業の案を出すときは、便利屋や学習塾、水素水など、いろいろなジャンルの案が出て、実現可能性や収益性を含めて検討し、桜梅桃李の飯岡オーナーシェフは、「ホホホタケは、煮込み料理や天ぷら、炊き込みご飯、鍋の食材でもとても重宝できる」と話していました。










































































