浜松唯一の舞茸農家「山本舞茸栽培センター」
ここで作られる舞茸は、天皇皇后両陛下が浜松に来られた際の料理に使われたり、大手航航空会社の機内食に選ばれたりと、味にとても定評があります。
観光バスや工場見学、舞茸狩りを受け入れていることがきっかけで(現在は休止中)
「またここの舞茸が食べたい!」
と地元だけでなく名古屋や東京からも直接工場に買いに来たりネット注文が入ったりするほど、一度食べたら忘れられない味です。
今回は、そんな美味しい舞茸が作られる山本舞茸栽培センターの工場にお邪魔してきました!

舞茸の正体は「菌」
菌を植え付ける土台は、おが粉(木を切った時に出る細かいくず)とふすま(小麦粉の皮の部分)だけのシンプルな材料を「ポリ瓶」と呼ばれる瓶の中に詰めて作られます。

(工場の外にはこの蒸気が出ており、「たまに火事に間違えられるんです」と笑いながらお話してくれました。)
殺菌後、冷やしてから専用の機械で舞茸菌を植え付けていきます。

培養室



栽培室
しかし、これが大きなポイントで、ブラックライトと呼ばれるこの青い光をあてることで、舞茸のきれいな黒色に仕上がります。
実際に、LEDや白熱灯で育ててみたところ、不思議なことに形も色も全く理想のものはできなかったそうです。

舞茸は湿度管理がとても重要。工場内は数分に一度ミストが散布され、常に95%以上の湿度に保たれています。
菌を植え付けてから約35日、栽培室で約9日~10日くらいで収穫ができ、収穫後はすぐに出荷されます。

美味しい舞茸の見分け方
実は、収穫期を遅らせるほど舞茸が室内の水分を吸って大きくなり、たくさんの量を収穫できるそうですが、
「新鮮で美味しいものを届けたい」という想いから、山本舞茸栽培センターでは一番美味しいタイミングのものだけを収穫し、当日出荷にこだわっています。

そんな声も多い山本舞茸栽培センターの舞茸。
その理由は、薬剤や増収材などは一切入っていないので、おが粉の香りが残り、舞茸の風味と重なりあって本来の旨味を感じることができるからです。
これが、誰でも美味しく食べることができる秘密の一つのようです。
また、自然の力で育った舞茸は肉厚で、歯ごたえがしっかりして噛み応えがあります。
工場内なので、安定した栽培がイメージされがちですが、季節の変化による温度差や湿度の変化によっても完成が変わります。
そういった管理も含め、舞茸栽培には几帳面さと正確さがとても大切だそうです。

子どもが食べて本当に体にいいものとは何か
以前は、地元の大根を使った漬物やをされており、子どもを背負いながら重い大根を夜中まで漬け込んだりする作業も続いたそうです。
当時の漬物は、昔ならではのしょっぱい味から、塩分を減らして日持ちするものが主流。
時代の流れに合わせて、着色料や保存料、甘味料などのたくさんの添加物を使う漬物を作る日々が続く中で「これから先、これが本当に求められるのだろうか」と疑問に感じたそうです。
「子ども達が食べて本当に体にいいものは何か」
そう考えていた時に一冊の舞茸の本に出会います。そこで、舞茸には薬効成分や効能があることを知り、舞茸農家への道を決意しました。
こんな山本さんの背景が、農薬や薬剤を一切使用しない安全安心の舞茸栽培に繋がっています。

舞茸を食べて元気な体を作ろう!
「孫達にも囲まれ、舞茸のおかげで家族みんな元気です。
舞茸で体の免疫を強くして、こんな時代もみんなで元気に過ごしていきたいですね!」
こんな風に山本舞茸栽培センターの舞茸は、
安心安全や美味しいという理由だけでなく、山本さん達の愛情とパワーが込められ、食べるだけで元気になれる食べ物です。
そんな浜松産の舞茸を美味しく頂きながら、地域に続く味を子ども達に伝えていきたいですね!
