"国内最大級"の竜巻 浮き彫りになった「被害認定調査」と「連携」の課題 復興への道のりは 2025年を振り返る② =静岡

「LIVEしずおか」では12月15日の週、2025年を振り返るシリーズ企画をお伝えします。2回目の今回は、9月に静岡県内を襲った国内最大級の竜巻についてです。被災地ではさまざまな課題が浮き彫りとなる中、牧之原市では復興とともに教訓を生かすための動きが広がっています。

「国内最大級」風速75mの爪痕

12月7日、県内各地で行われた地域防災訓練。牧之原市では、地震により大津波が襲来する想定で実施され、約1万3000人が避難経路を確認しました。

<牧之原市細江区 山崎泰区長>
「たまたま(竜巻から)3か月というタイミング。時とともに(災害への意識が)薄れていく部分もあるので、そういった意味ではいい機会だった」

2025年9月5日、台風15号の影響で牧之原市から吉田町にかけて風速75メートル、「国内最大級」の竜巻が発生し、吉田町で1人が死亡しました。建物への被害は広範囲に及び、牧之原市では住宅など1300棟以上に被害が出ました。

屋根が半分飛んでも「全壊」にならない…生活再建の壁

<被災者(10月)>
「ここの屋根が半分飛ばされて、雨が入ってきた。(判定結果は)全壊だと思ったが全壊にならないもんで」

生活再建に向けて、被災地では市の職員などが被害認定調査にあたりました。

<再調査を受ける住民>
「屋根と外壁ですね。外壁は建築業者から『全部はりかえ』と言われていて、中のクロスもはりかえで、屋根も全部瓦交換なので、1000万円くらいの作業になる」

仮に一部分に大きな被害が出ていたとしても、その他の場所の被害の程度によっては「全壊」の判定が出ないケースがあり、複数の住人が再調査を依頼しました。

家屋の解体費用を地方自治体が負担する「公費解体」の受付はようやく来週から始まりますが、国からの「支援金」をいまだに受け取れていない被災者もいます。

「市との連携不足」浮き彫りになった課題

爪痕が色濃く残る被災地で行われた地域防災訓練。被害が大きかった牧之原市細江区では、市の職員と区の役員がディスカッションを行い、台風15号の対応で直面した課題を共有しました。

<住民>
「市との連携がやはり課題だと思います。なかなか市との連携が不足していたのではないか」

市と区と町内会の間で、被害状況や安否確認の共有がスムーズに行えなかったといいます。

<牧之原市細江区 山崎泰区長>
「今回は連絡を取りたい町内会長が被害を受けたこともあるので、発生当時に情報収集というのは現実的には無理だったんだろうなと思います」

竜巻が起きた際、津波の避難場所に指定されている施設の駐車場に雨水がたまっていて車が止められなかったことなど、さまざまな課題が浮き彫りになりました。

<牧之原市 杉本基久雄市長>
「さまざまな気付きがありました。ああしよう、こうしようと次につなげる、市のマニュアルや防災計画に役立てる」

中学生も自覚「動ける私たちが」

訓練では、ガスコンロを使った調理も行われました。細江区の青池自治会では竜巻の発生後、1週間ほど電気が使えない地域があり、多くの中学生が訓練に参加しました。

<榛原中学校 吉添日彩さん>
「食べやすくて、お腹にたまるので、非常のときにいいなと思いました。中学生や高校生や小学生、動ける私たちが地域のために動いていければと思いました」

国内最大級の竜巻を受け、住人や市の職員は備え続けることの大切さを改めて噛みしめています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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