
全国で病院の赤字経営が深刻化する中、静岡市の市立清水病院は2024年度の損失額が22億円あまりに上りました。手術の受け入れを停止せざるを得ない状況にまで追い込まれている医療の現場でいったい何が起きているのでしょうか。

静岡市立清水病院です。26の診療科があり、急性期から慢性期まで一貫した医療を提供しています。
静岡市清水区の総合病院として長年、地域医療の中核を担ってきた清水病院がいま、危機を迎えています。
<難波喬司静岡市長>
「実質22億2157万円の損失、赤字になっているという状況になります。市長として大変申し訳なく思っております」
難波喬司市長は清水病院の2024年度の損失額が22億円あまりに上ったと明らかにしたのです。
<静岡市立清水病院 上牧務病院長>
「こちらのエスカレーターは午前中は動かしているんですけれども、午後は利用者も少ないということで誠に申し訳ないんですけど節電のために止めさせていただいています」
「危機的な赤字」を受け、清水病院は院内のエスカレーターの稼働を利用者が減る午後1時から止めたほか、エレベーターも2台のうち1台を休止させました。
<上牧病院長>
「小さいことではあるんですけれども、こういうことで節電していこうとやっています」
2024年度、赤字となった公立病院の割合は過去最高に 要因は?

清水病院に限らず、公立病院の経営難は全国的に大きな問題となっています。2024年度に赤字となった公立病院の割合は83.3%と過去最高となりました。大きな要因は深刻な「医師不足」です。
<上牧病院長>
「最近は医局に入ってくる先生方も、いろいろな場所に行きたいというよりは、自分の好きなところで働きたいという希望がすごく強いものですから、なかなか静岡に派遣してくれる先生が少ないのも現状ではあります」
脳神経外科ではこれまで4人の医師が診察にあたっていましたが、2025年3月、個々の事情により3人が退職したといいます。
<脳神経外科 福地正仁医師>
「正直困っていますね。本来ならここで普通にできていた医療ができなくて、ほかの総合病院にお願いをして、向こうで手術をしてもらっているという状況」
4月からすべて1人で診察を請け負うことになった脳神経外科は、手術の受け入れを停止している状態です。
<福地医師>
「正直に言えば、365日24時間拘束されているっていうことですね。病棟の患者さんの場合だと、急変しないでねということは無理なので」
さらに、皮膚科では医師の数がゼロとなり「休診」する事態に。清水病院では脳神経外科と皮膚科が主な収益となっていたため、前の年度より6億4954万円の減収となりました。人件費や物価の高騰も追い打ちをかけている状態です。
収益を上げるために最も重要なこととは

上牧病院長は収益を上げるため自由診療に力を入れていますが、最も重要だと訴えるのが「診療報酬の改定」です。
<静岡市立清水病院 上牧務病院長>
「かなり大きなアップをしていただかないと、病院は大変なことになると思っていますので、ぜひ早く手を打っていただきたいという思いです」
医療機関の主な収入源である診療報酬は国が2年に1度改定を行い、医療機関が自由に値上げすることはできません。診療報酬改定の引き上げ率は、この10年間、いずれも1%未満に留まっています。
<高市早苗首相>
「報酬改定の時期を待たずに経営の改善、職員の方々の処遇改善につながる補助金を措置して効果を前倒しすることといたしました」
診療報酬の改定時期は2026年度ですが、高市早苗首相は「引き上げを前倒しする」としています。
清水病院は現在、医療アドバイザーの助言を受けながら病院全体で経営改善に取り組んでいます。
<上牧病院長>
「清水病院は清水区の基幹病院として存在していましたので、引き続きそういった立ち位置でしっかり頑張っていきたいと思っています。また、災害拠点病院でもあるということから、災害に対しても住民の皆さんを守れるような病院でいたいと思っています」
私たちの生活に欠かせない医療。清水病院の苦境は、地域医療そのものの存続を問いかけています。







































































