
静岡県側の富士山が7月10日に山開きを迎えます。4000円の入山料がかかるなど、富士登山のあり方ががらりと変わり、関係者は「変革期」と位置づけ、期待と不安が交錯する2025年の夏山シーズンとなります。
<静岡県富士宮市 須藤秀忠市長>
「今までとは違った形で山開きをされると思いますが、できるだけ大勢の方に協力していただいて、入山料も払っていただいて、安全安心な登山をしていただきたい」
<東富士山荘 米山千晴さん>
「いってらっしゃい。頑張ってね」
開山日を間近に控えた週末。小山町の須走口でも、五合目を散策する人たちで賑わっていました。
<米山さん>
「今年は変革期だからどうなってくるのかも未知の世界だし、それがわくわくもするし、ちょっと内心、心配なところもあるけど、とりあえずスタートしようということで」
富士登山は新たな時代に突入。2025年から始まるのが、「登山規制」です。
<富士支局 杉村直美記者>
「あちらは何を準備しているんですか?」
<県富士山世界遺産課 池ヶ谷達也班長>
「登山者の方が事前に入山の手続きをしていただく手続小屋、事前学習が済んでいない方が学習いただく現地学習小屋、リストバンドを受付が終わった方はしていただくんですけど、リストバンドをチェックする係員がいる小屋と3個が並んでいる状態になります」
須走口五合目に設置されていたのは、入山手続きなどを進めるための小屋です。2025年から条例により登山規制が制定され、WEBまたは現地で入山手続きを済ませなければ、登ることができません。入山料は山梨と同じく4000円が必要です。子どもも4000円を負担します。
さらに「弾丸登山」を抑えるために山小屋の予約がなければ入山できる時間を午前3時から午後2時に制限。静岡側では独自の条件も加わりました。
<池ヶ谷班長>
「静岡県ではルール・マナーの事前学習ということで、必ず今回はみなさんに事前学習というものを必須としております」
「事前学習」は新たな試みです。WEBで手続きをする場合は、テストに合格すると、入山証のQRコードが発行。現地で手続きをする場合は、「学習小屋」でビデオ講習などを受けると入山の許可が下ります。
<池ヶ谷班長>
「みなさんが安全で安心して登れる富士山の環境を作るために、1人1人が勉強をしてそうしたところの意識を変えていただくということが必要と考えておりまして」
これまで山梨とずれていた規制ですが2025年から、ほぼ統一されることになりました。
<登山者>
「いろんな国から来て下さっているので一律のみんな共通のルールで登れるといいなと思います」
<登山者>
「統一の方がわかりやすいですよね。みんな一緒で、とやった方が」
<山梨県 三枝徹富士山観光振興監>
「静岡県とは密に連携をしながら進めさせていただきまして、その結果として料金と通行時間につきまして、統一できたことは非常にわかりやすくてよかったかなと思っております」
富士登山は新たな局面を迎え、これまで以上に安全への意識が求められることになります。