
静岡市のJR清水駅東口に新たなサッカースタジアムを建設する構想を巡り、静岡商工会議所など3つの経済団体が5月7日、早期実現を難波市長に要望しました。難波市長は、地権者との交渉は「全然かみ合っていない状況ではない」として、早期合意を目指す考えを示しました。
<静岡商工会議所 岸田裕之会頭>
「新しいサッカースタジアムの建設の要望ということでございます。どうぞ、よろしくお願いします」
7日午後、難波市長のもとを訪れ、要望書を提出したのは、静岡商工会議所の岸田裕之会頭や地元の経済団体の会長らです。
静岡市の新たなサッカースタジアムの建設構想を巡っては、J1清水エスパルスがホームとして使うIAIスタジアム日本平に代わる施設として、検討委員会でJR清水駅東口のエネオスが所有する土地が最も有力な候補地に決まりました。
しかし、2025年2月―。
<難波喬司静岡市長>
「はっきり申し上げますと、地権者との調整がなかなかつかないので、発表できない状況です」
難波市長は、地権者であるエネオスとの調整が難航していると説明しました。
<静岡商工会議所 岸田会頭>
「楽しいまちづくりということも非常に必要かなと思いまして、その核となる施設がどうしても必要だという、その核となる施設として新サッカースタジアムが非常に適したものであると経済団体としては思っている」
そこで、地元の3つの経済団体は、市とエネオスの調整が長引いている状況を受け、スタジアム整備や土地利活用に向けた協議を進め、早期実現への道筋を示すことなどを要望しました。
<難波市長>
「ご心配をおかけして、大変申し訳ございません。お互いの考えているところは煮詰まってきましたので、合意に達するかどうかは分かりませんが、全然かみ合っていない状況ではない」
難波市長は、できるだけ早く土地の活用方法について、エネオスと合意したいと述べました。
<静岡商工会議所 岸田会頭>
「市長から思いのほか、前向きな発言をいただいたと思っています。この要望書は、地権者の皆様の心に響いて、さらに市長が後押しになれるような形になれば非常にありがたいなと思う」
広島や長崎では、中心市街地にサッカー場ができたことで地域に賑わいが生まれるなど、もはや従来の「ハコモノ」の枠を超えようとしているスタジアム。サッカーどころの決断は、待ったなしの状態です。