
地方都市では、同省が備蓄米入札の要件とする「直近1年間の仕入れ数量5千トン以上」などを満たす大規模な法人などは少ない。今後夏まで毎月入札を経て備蓄米放出が行われた場合でも、流通は遅れる傾向があるとされる。関係者によると、静岡県内で要件を満たすのは数団体程度だ。
仮に卸売業者が備蓄米を手にしたとしても、在庫の割高な新米などとブレンドするため、スーパーで販売されるコメ価格の低下ペースは遅くなる。
静岡県内は昨年、コメの作況指数が95と最近10年間で2番目に悪かった。加えて、本州ではかなり早い8月中旬にはコメが収穫され始めるため、「播種(はしゅ)前契約」と呼ばれる作付け前の先回りした買い付けがすでに行われているとされる。新米の安定供給を危惧する声がすでにある。