静岡県富士宮市に特別支援学校を卒業して社会に出た人たちがアートを楽しむ場所があります。仲間と一緒にのびのびと絵を描き、世界から評価される作品も生まれています。
富士宮市の空き店舗で月に1度開かれるアートクラブ「atelier QUOKKA」。市内の特別支援学校の卒業生が集まり、好きな絵を描いています。
<赤池僚也さん>
「ワライカワセミを描いています。羽や羽毛が特徴です」
Q. 絵を描くのは好き?
「大好きです」
富士宮市に住む赤池僚也さん(22)は、2歳の頃から絵を描き始め、特別支援学校では美術部に所属していました。2021年に特別支援学校を卒業した赤池さんは、福祉事業所で働いています。
<ココロネ就労支援センターNEST 上野貴子さん>
「赤池さん自身には向いている作業があって、それに対して前向きに集中力を切らさずに取り組めるのは素晴らしいなと思います」
<アトリエクオッカ 松本進スタッフ代表>
「ここいいじゃん。ここ、うまくいったね。すごく立体的に見える」
<赤池僚也さん>
「ありがとうございます」
赤池さんはアートクラブで過ごす時間を大切にしています。この場所は学校を卒業してもアートを楽しめるようにと特別支援学校の教員たちが作りました。
<松本代表>
「メンバーたちは、月1回なんですけど、ここに集まってくると同窓会みたいな感じで。それぞれ平日は自分の仕事を持っているので。社会人1年目、2年目、3年目で一番苦労しているときだと思うので、それ以外のところで心が休まるいい場所になっていると思います」
<赤池僚也さんの父 敏史さん>
「みんな和気あいあいとやっていて。絵を描きながらみんなでコミュニケーションをとっていく。すごくいい場」
赤池さんは、「atelier QUOKKA」の活動などで、数多くの作品を生み出してきました。
ラグビーの試合を描いた「スクラム」は国際アートアワードで最終審査まで残るなど、国内外から評価を受けています。制作中だった「ワライカワセミ」も鮮やかに仕上がりました。
<赤池僚也さん>
「今後、描いていきたい作品は、人物と動物とスポーツの人の絵です。楽しく力強く描いていきたいです」
<赤池僚也さんの母 千里さん>
「障がいのある子たちはいろんなことがあると思うが、あの場所に行くとみんなで和気あいあいとできる。あの場所で安心感を得て、また社会に出ていける。大切な場所なんだなと思います」