少子化による児童数の減少で、学校の数が年々減っています。地域に惜しまれながら閉校した校舎を再び活気あふれる場所にしようと静岡市で、観光施設としての活用事業が進んでいます。
<児童>
「いつもぼくたちの成長を優しく見守ってくださった地域の皆さん、本当にありがとうございました」
静岡県掛川市の山間部に位置する原田小学校です。3月21日、149年の歴史に幕を閉じました。多いときは500人近くの児童が通っていましたが、2024年度は52人となりました。
卒業生などが企画した記念式典には用意していた席を大幅に超える300人以上が訪れました。
<54年前に卒業した人>
「地域の子どもたちがだいぶ自分たちの時よりも減っちゃって、致し方ないかなと思います」
少子化の影響で、県内の公立の小中学校は10年前、771校だったのに対し現在は728校。統廃合を余儀なくされ、2024年度も6校が閉校します。
親子連れでにぎわうこちらの施設。2023年に閉校した静岡市清水区西河内小学校です。2024年5月から「子どもの遊び場」として開放されこれまでに1万人が利用しました。
<葵区から来た人>
「思っていたよりもたくさんいろいろなものがあって子どもも楽しく遊べているなと思います」
<葵区から来た人>
「思った以上に広くて、子どもが走り回れるから良かったなと思いました」
静岡市は、一躍人気となったこの場所を3月16日に閉鎖しグレードアップの準備を進めています。
<静岡市社会共有資産利活用推進課 増田凌さん>
「来ていただいた方は付近の公園に行って川遊びをしていただいたりとか、両河内地区全体を楽しんでいただけるような仕組みになったのかなと思っています。それを進めていくためにここに飲食機能や宿泊機能を整備することによって、より両河内地区を楽しんでいただけるような施設として活用していただききたいと思っています」
静岡市は初めて民間事業者を主体とした廃校活用に関する公募を実施。スギやヒノキを活かした木育商品を手掛ける東京の民間企業を代表に3者が共同で校舎を改修することに決まりました。オクシズ材を活かした木製遊具などを新たに設置したい考えです。
<東京・森と市庭 菅原和利取締役>
「今まで無料で子どもの遊び場を静岡市が運営されてきたと思うんですけれども、しっかり持続可能な施設、より良い施設にするためにはある程度利用料という形で、今までよりさらにバージョンアップさせた子どもの木の遊び場を展開していきたいな」
<リバースプロジェクト 村松一代表理事>
「サウナを作りたいんですけど。僕は最初シャワーだけと思っていたんですけど組織の中でサウナをする人たちがいて、水風呂作らないと人来ないよって言われて。チラー(冷却装置)に井戸水を引っ張りたいんですけど、それは可能なんですか?」
共同事業者で建築士の村松さんは希少な観葉植物を扱うボタニカルショップのほかサウナやカフェレストランを設置する計画を進めています。
<村松 代表理事>
「ここは3階で施設全体で言うと宿泊施設になっていまして、1つの教室で8人泊まれるような部屋にしたいと思っています。地域の方にとって思い出とか記憶がある特別な場所だということは変わらない」
惜しまれながら閉校していく学校。
<両河内地区に住む親子>
Q. こんなのできたらいいなっていうのはありますか?
「シャトルランの大会」
「この地区って自然はいっぱいあるんですけど、遊ぶ場が少ないので、子どもも小学生だから天気がいい日も雨の日も利用できる、休みの日に遊びに来られる場所があるのは大変助かると思います」
生まれ変わった学校が再び地域活性化の拠点となることが期待されます。