
3歳上の兄綾真さん(20)も同校野球部出身。当時3年生だった2022年夏の選手権静岡大会期間中、チーム内に新型コロナがまん延し、急きょ背番号11をつけて3回戦から先発登板した。だが4回戦でチームは敗退。「みんなが戻ってくるまでつなげられなくて、申し訳ない」と責任を背負い込んだ兄の思いも胸に、結音さんも常葉大菊川の門をたたいた。
甲子園球場の観客席には家族が駆けつけた。娘の晴れ姿を見守った父康広さん(55)は「長男が果たせなかった夢をかなえてくれた」。母裕美さん(48)も「選手たちに甲子園まで連れてきてもらい、感謝と感動でいっぱい」と語った。祖母一恵さん(78)は「夢を果たすことができ、私も本当にうれしい」と目を潤ませた。
憧れ続けた場所を一歩ずつ、かみしめるように歩いた結音さん。気持ちは次なる目標へ向く。「普段してこなかったような仕事もこなし、選手がより快適に練習できるように支えたい」。感謝を込めて、聖光学院との初戦へ向けた全力のサポートを誓う。