エスパルスを愛する会が五つの改善案を提示「絶対にJ1に戻そう!」サポーター約千人が意見交換


一般社団法人エスパルスを愛する会(代表理事・石田徹アイエイアイ社長)は1月13日、静岡市のグランシップで、クラブ応援イベント「エスパルスを絶対J1に戻そう 静岡にもう一度サッカー文化の花を咲かせよう!」を開きました。

イベントは2部構成。第1部は清水OBの大榎克己さんと岩下敬輔さんらのトークセッション、第2部はサポーターを中心とした討議を行いました。約千人が参加し、登壇者の話に耳を傾けていました。

大榎さん「クラブの哲学が必要」


過去にチームの強化担当や監督を務めていた大榎さんは「2015年にJ2に落ちた時は自分にも大きな責任があり、申し訳ないという思いはいつまでも消えずに持ち続けている」とした上で、「今は当時よりもJ2のレベルが拮抗している。昨季の強化費はJ2ではダントツだったと思うが、お金を掛けたから結果が出るという話ではない。一方、お金を掛けなければ、なかなかJ1昇格は難しい」などと、強化の難しさについて解説。

「クラブとして、どんなサッカーがしたいのか。ビジョンを持つ必要がある。それがはっきりすれば、そのサッカーに合った監督や選手を連れてくることができる。育成部門で選手を育てることもできる。チームの哲学をつくり、それに沿った形でチーム編成や育成をしていくことが大事だと思う」などと語りました。

岩下さんは“健太エスパルス”を回顧

岩下さんは、長谷川健太監督(名古屋グランパス監督、清水東高校出身)の下でプレーしていたエスパルスやガンバ大阪時代のエピソードを披露。「健太さんと(ガンバ時代を含めて)10年一緒にやらせてもらった。本当に厳しかったが、選手のモチベーションを上げるのがすごく上手だった。監督室に呼ばれ、1対1で1時間以上叱ってくれたこともある。高校時代に戻った時のようで、何度も泣かされました(笑)」と冗談交じりに話し、今のエスパルスに「チーム内の競争の中で若手を育ててほしい」などと求めました。

サポーターも「愛あればこそ」の意見


サポーターからは「エスパルスが強かった時代も『シルバーコレクター』と呼ばれていた。勝つべき時に勝つことができなかったのは昨季に限った話ではない」といった勝負弱さを指摘する声や、「外国人助っ人頼みのチームになり、最近は面白くない。育成から出てきた選手が活躍するチームであってほしい」といった意見が出されました。

「シーズン中に監督交代をせず、辛抱強く信じること。一体感をもってやっていけば強くなる」「J1とJ2では分配金などの差別化が進んでいる。今年がリミットだと思って戦ってほしい」という声も聞かれました。

納谷さん「必要なのはエスパを愛し、愛されること」

エスパルス後援会の納谷聖司専務理事も登壇し、「批判することは簡単。エスパルスをJ1に戻すには、もっとエスパルスを愛し、もっとエスパルスから愛されることだと思う」と強調。「エスパルスから贈られた揺りかごで健やかに育ち、大人になって、仕事でストレスを抱えても週一回のエスパルスの試合で楽しい思いをする。そして最後はエスパルスのエンブレムが入った棺桶で旅立っていく。そんなことがごく自然に、何の不思議さもなく行われるような街になる。これが本当の市民球団だと思う」と来場者に語り掛けました。

石田代表理事は五つの改善案を提示


石田代表理事はエスパルスを愛する会の目標に「エスパルスがJ1に戻り、面白い試合をするチームにする」ことを掲げ、5つの改善案を提示。今後クラブに働きかけていくと説明しました。

【改善案】
①サッカーの戦略、戦術に優れた人を、エスパルスの中心に置く。

②その人の戦略、戦術に基づいて、選手の技術、体力を磨き、フォーメーション、システム
を習得し、チーム力を上げていく。

③静岡ゆかりの選手を50パーセント以上にする。小中高校でサッカーをする生徒が増える体制づくりをしていく。

④エスパルスの毎年の経営計画を地域の人々に公表し、意見交換する場を設ける。また、その年に、どのような戦略で試合をしていくかも公表する。

⑤エスパルスと地域の人々との交流を積極的に行う。
シズサカ シズサカ

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