土砂災害最多211件 22年、静岡県まとめ 台風15号被害大きく

 静岡県は16日、2022年に県内で発生した土砂災害が前年比174件増の211件だったと発表した。統計が確認できる1988年以降で最多という。このうち台風15号による土砂災害は167件と全体の約8割を占め、被害の大きさを改めて示す結果となった。

県内土砂災害発生件数の推移
県内土砂災害発生件数の推移

 過去10年の平均発生件数は48件で、例年を大幅に上回った。内訳は崖崩れ146件、土石流61件、地滑り4件。台風15号による被害は崖崩れ111件、土石流54件、地滑り2件だった。死者は1人。
 静岡市葵区油山や藤枝市原など4カ所の土石流と、磐田市平松など2カ所の崖崩れは、緊急性が高いとして国の補助事業に採択された。
 静岡市葵区内牧や松崎町雲見など15カ所では、擁壁や砂防えん堤などの施設が斜面からの土砂や流木を食い止め、住宅への被害が軽減されたとみられる。
 22年に全国で発生した土砂災害は前年比184件減の788件で、本県が全国の約4分の1を占めた。豪雨災害の激甚化が懸念される中、県砂防課の担当者は「引き続き土砂の撤去や急傾斜地の崩壊防止事業などに市町と調整しながら取り組む」と話している。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞