
ジュビロ磐田と藤枝MYFCが対戦する「蒼藤(そうとう)決戦」が9月20日午後1時55分から行われます。3試合連続の無失点と守備が安定し、5位に浮上した磐田。これをベースに攻撃陣がどこまで奮起できるか。ジョン・ハッチンソン監督に勝利へのポイントなどを聞きました。
ジョン・ハッチンソン監督「ボール保持に重き置く」
-夕方からだった当初の予定を変更し、練習を午前中に行ったのは暑さ対策ということですか。フィジカルとメディカルと相談して午前中に変えようという話になりました。午後1時55分という、素晴らしいキックオフ時間でもあるので(記者笑)一旦選手を日にさらして体温を上げてという必要があったんですけど、いいトレーニングができたと思います。
-選手交代も大事になってくるのでは。
交代は間違いなく暑さの影響があると思いますし、この暑さの影響というのは選手のみならずファンの皆様にもあると思いますし、試合のクオリティーの部分にも影響してくるかなと思います。交代のところにおいてはより価値が重くなると思うので、そこは重要視したいなと思っていて、この暑さが続くのであれば選手起用のところも間違いなくそうですし、我々のプレースタイルにも影響が出るかなと思います。
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-そうした環境を乗り越える鍵は。
攻撃守備両方においてゲームをコントロールするところだと思います。特に自分たち自身にフォーカスすることであったり、自分たちがコントロールできるところに意識を置くというところだと思います。
キックオフ時間は変えられませんし、ピッチ状態も変えられませんし、どれだけファンが来るかというところも自分たちは何もできないので、しっかりとコントロール可能なものをコントロールしていく。そしてボールを保持しながら、また守備をしながら両方で試合をコントロールしていくというところだと思います。
-前節の今治戦は追加点を狙わず1−0で終えることを目指した。
もちろん2点目3点目が取れればいいですけど、相手がいるということもリスペクトしなければいけない。特にあの時間帯でより前線に人数をかけてきていたので、そこもリスペクトしなければいけないと思います。
これまでこういう相手、例えばフィジカル的に強くてダイレクトに攻めてくる目的を持って前進してくるというようなチームに対して苦労してきましたけど、試合をクローズするという意味ではよくやってくれたし、フォーメーションを変えたところでも非常によくシームレス(切れ目のない)に移行できたなと思っています。交代選手も非常にポジティブな変化をもたらしたというところではいい締め方ができたのかなと思います。
-藤枝は今夏に矢村選手が加入しました。前回5月11日に対戦した時との変化をどう感じているか。
フットボール自体はそこまで変わっていないと思いますけど、このチームを発展させるための必要なピースを獲得してきたんだと思います。非常にアイデンティティ(個性)のあるチームで、シーズンを通してそのアイデンティティをきちんと貫き通すと思いますが、我々の守備の目的としてはそのアイデンティティをいかに崩していけるか、流れを相手に持っていかせないかというところだと思うので、今週の試合に関しては、どちらのチームがボール保持でより主導権を握れるかというところになってくるかと思います。
なので我々はよりボール保持で重きを置きたいと思っていますし、パスにこだわってほしいと思っていますし、コントロールした状態で前進をしていきたいと思っています。
今治戦は非常に守備がよくやれたので、その守備は藤枝戦の土台になると思うので、いつも言っているように自分たちに意識を向けて、地元同士の県勢対決でもあるのでしっかりと自分たちに意識を向けながら試合に臨めればいいなと思っています。
-先週の公開練習に続いて11対11のトレーニングを行ったが、もう少しミドルサードのところの保持をより良くしたい狙いがあるのか。
このトレーニングだとポジションにそれぞれ分けるので、試合で経験するであろうことを事前に意識するというところと、また組み合わせを変えるというところも試合でいろいろ起こりうる可能性もあるので、しっかりイメージを持った上で試合に臨めるようにしたいと思っています。
またこの暑さもあるので、やり過ぎないことが大事ではあるんですけど、ボール保持のところをこだわるというところと、よりコントロールした形で前進していくというところを意識して、それは非常によくやれたのかなと思います。

-この時期になると1試合終えるたびに他会場の結果や順位表が気になるが。
選手にも話しているんですけど、クラブがSNSで「LOAD to J1」というものを上げているので、もちろんそこがクラブとして今シーズンの最終目標ではあるんですが、そこを強く意識しすぎるとそこの間が全て抜け落ちていく。
先週末も勝ち点を落としていくチームもありました。本当にタフなリーグだと思います。様々なスタイルを持ったチームがひしめき合っているので非常に難しいんですけど、僕は特に強く信じているのが「今日しか意識できない、今日を意識しなければいけない」ということ。明日のための糧というのは今日からしか得られない。今日学んだことであったり、今日しっかりこの暑さの中でプッシュできたかというのが明日に繋がるわけで、それを常に選手に話しています。
なので何を今日のトレーニングで意識するか、そのフォーカスポイントというところを明確に打ち出してトレーニングに入っているので、そこの積み重ねだと思っています。もちろん明確な目標はありますけど、それを意識しすぎると間が抜け落ちるので、まずは今日に集中してほしいと思っています。