【静岡の高校サッカー戦後史Vol.82】浜名が1999、2006年度に全国総体へ。「復活させたいというより、とにかく勝ちたかった」

【浜名⑨】久々の総体で難敵下す

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。

1999年度全国総体。強敵の国見を倒し、3回戦に勝ち進む=岩手県盛岡南公園球技場

1999年(平成11年)夏、浜名が全国の舞台に戻ってきた。77年度の全国選手権(78年正月開催)以来、22年7カ月ぶりの晴れ姿だった。

全国への強いこだわり

元日本代表GKの松永成立(J横浜Mスタッフ)を擁した80年度をはじめ、選手権、総体両県予選で2度、3度と決勝に駒を進めた。しかし、最後の壁を突破できず、苦戦が続いていた。

99年度も県新人大会は1回戦で姿を消し、前途多難を思わせた。ところが、総体予選に入ると一変した。榛原、伊豆中央、静岡市立、浜松西を連破して決勝に進出した。

静岡学園を相手に押し気味に試合を進め、1-0で本大会行きを決めた。全国総体出場は実に76年度以来。西部の雄の復活だったが、左サイドバックで気を吐いた和田拓三(J福岡)は「復活させたいというより、とにかく勝ちたかった」と全国への強いこだわりを強調した。

ヤマ場の国見(長崎)戦をクリアするも…

岩手県で行われた総体本番。1回戦は富山一(富山)を4-0と圧倒、2回戦は前評判の高かった国見(長崎)をPK戦にもつれ込む接戦の末に退けた。

今も指揮を執る監督の池谷守之は後半終了間際に、GKの交代カードを切った。池谷は浜名OBで、サドンデスのPK戦で敗れた77年度選手権のピッチに立っていた。

96年度に母校に赴任した池谷は、高校時代の苦い経験からPK戦用のGKを用意し、難敵を下した。 ヤマ場の国見戦をクリアしたが、激戦を制した反動からか、3回戦は日大藤沢(神奈川)に苦戦。1-3で押し切られ、8強入りを逃した。

7年ぶりの全国総体。しぶとさを武器に猛追

続く全国舞台は2006年度総体だった。県予選は決勝で浜松湖東と対戦。後半8分、佐藤将也(JFL琉球)が決勝点を奪い、1-0で西部対決を制した。

7年ぶりの全国総体は1回戦で前橋商(群馬)にPK勝ちした。前半3分の町田倫樹(四日市大)の先制ゴールを生かせなかったが、最後はしぶとさで上回った。

2回戦は情報科学(大分)に後半途中まで0-3とリードを許した。だが、ここから猛追。終了寸前の松浦拓弥(J福岡)のゴールで追い付いた。

しかし追撃もここまでだった。初戦の再現はならずにPK負け。この試合を最後に全国から遠ざかっている。

06年度、中学生を対象にした浜名Jユースが発足した。OBが中心になって結成された育成組織で、巻き返しへの熱い思いが込められている。(敬称略)

1999年度総体県予選決勝先発メンバー

GK
加藤亮

DF
原品拓門
伊藤友之
大森敬之
和田拓三

MF
村瀬浩司
村越昭吾
水谷亮
市川慎也

FW
尾崎聡史
頼母木勇太

2006年度総体県予選決勝先発メンバー

GK
田村聡弥

DF
高須友輔
市野宏樹
佐藤辰哉

MF
広野将行
水川聖也
鈴木喜貴
佐藤大生
松浦拓弥

FW
堀切大地
町田倫樹
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