【浜名⑨】久々の総体で難敵下す
※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。1999年度全国総体。強敵の国見を倒し、3回戦に勝ち進む=岩手県盛岡南公園球技場
全国への強いこだわり
元日本代表GKの松永成立(J横浜Mスタッフ)を擁した80年度をはじめ、選手権、総体両県予選で2度、3度と決勝に駒を進めた。しかし、最後の壁を突破できず、苦戦が続いていた。99年度も県新人大会は1回戦で姿を消し、前途多難を思わせた。ところが、総体予選に入ると一変した。榛原、伊豆中央、静岡市立、浜松西を連破して決勝に進出した。
静岡学園を相手に押し気味に試合を進め、1-0で本大会行きを決めた。全国総体出場は実に76年度以来。西部の雄の復活だったが、左サイドバックで気を吐いた和田拓三(J福岡)は「復活させたいというより、とにかく勝ちたかった」と全国への強いこだわりを強調した。
ヤマ場の国見(長崎)戦をクリアするも…
岩手県で行われた総体本番。1回戦は富山一(富山)を4-0と圧倒、2回戦は前評判の高かった国見(長崎)をPK戦にもつれ込む接戦の末に退けた。今も指揮を執る監督の池谷守之は後半終了間際に、GKの交代カードを切った。池谷は浜名OBで、サドンデスのPK戦で敗れた77年度選手権のピッチに立っていた。
96年度に母校に赴任した池谷は、高校時代の苦い経験からPK戦用のGKを用意し、難敵を下した。 ヤマ場の国見戦をクリアしたが、激戦を制した反動からか、3回戦は日大藤沢(神奈川)に苦戦。1-3で押し切られ、8強入りを逃した。
7年ぶりの全国総体。しぶとさを武器に猛追
続く全国舞台は2006年度総体だった。県予選は決勝で浜松湖東と対戦。後半8分、佐藤将也(JFL琉球)が決勝点を奪い、1-0で西部対決を制した。7年ぶりの全国総体は1回戦で前橋商(群馬)にPK勝ちした。前半3分の町田倫樹(四日市大)の先制ゴールを生かせなかったが、最後はしぶとさで上回った。
2回戦は情報科学(大分)に後半途中まで0-3とリードを許した。だが、ここから猛追。終了寸前の松浦拓弥(J福岡)のゴールで追い付いた。
しかし追撃もここまでだった。初戦の再現はならずにPK負け。この試合を最後に全国から遠ざかっている。
06年度、中学生を対象にした浜名Jユースが発足した。OBが中心になって結成された育成組織で、巻き返しへの熱い思いが込められている。(敬称略)
1999年度総体県予選決勝先発メンバー
GK加藤亮
DF
原品拓門
伊藤友之
大森敬之
和田拓三
MF
村瀬浩司
村越昭吾
水谷亮
市川慎也
FW
尾崎聡史
頼母木勇太
2006年度総体県予選決勝先発メンバー
GK田村聡弥
DF
高須友輔
市野宏樹
佐藤辰哉
MF
広野将行
水川聖也
鈴木喜貴
佐藤大生
松浦拓弥
FW
堀切大地
町田倫樹