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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.29】藤枝東が1998年度に全日本ユース優勝!2007年度は全国高校選手権で準優勝!藤色軍団が新たな時代へ

【藤枝東高⑳】選手権準V 国立藤色に

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。

2007年度全国選手権決勝。国立競技場のスタンドは藤色に染まった


1998年(平成10年)度、藤枝東は攻めのサッカーを貫き、全日本ユース(U-18)で6年ぶり2度目の優勝を飾ることになる。

メンバーの多くは、4強入りした前年度の全国選手権経験組。攻めのサッカーに磨きをかけて県総体を制し、16年ぶりに全国総体に名乗りを上げた。ところが、総体本番は1回戦で遠野(岩手)にPK負けを喫した。

よもやの初戦敗退だったが、直後の全日本ユースに尾を引くことはなかった。1回戦で再び遠野と、準決勝では前年度の選手権4強対決で敗れた帝京(東京)と対戦したが、それぞれ2−0、4−3で借りを返した。

佐賀、河村のゴールでG大阪ユースに逆転勝ち

決勝はG大阪ユース(大阪)と対戦、シュート数24対21という激しい攻め合いを演じた。追う後半、佐賀一平、河村優(ともに元J札幌など)が立て続けに決めて逆転勝ちした。

最後まで攻め続け、リードされても「負ける気はしなかった」とは、主将鷲巣延圭(金谷高教)の試合後の弁。好セーブを連発したGK大塚智紀(藤枝中教)は、「守っていて楽しかった」と振り返った。

服部体制で2度、全国準優勝

2001年(平成13年)度の全国総体、07年度の全国選手権でも決勝まで勝ち上がった。指揮を執る服部康雄(藤枝市在住)が追求する攻めのサッカーで。

01年度の総体は長谷部誠(ウォルフスブルク)岡田佑樹(J水戸)ら3年生と、成岡翔(J福岡)岡田隆(J磐田)大井健太郎(J湘南)といった力のある2年生を配した布陣で臨んだ。

準々決勝、準決勝と連続でPK戦にもつれ込んだが、しぶとく切り抜け、決勝は市船橋(千葉)と対戦した。盛んに攻めを仕掛けた。しかし、逆に相手の効率のいい展開に守りを崩され、0−3で敗れる。

藤色のマフラーで埋まった聖地国立

07年度の選手権は河井陽介(慶大)を軸に、素早くつなぐサッカーで勝ち進んだ。決勝進出は34年ぶりとあって、国立競技場の大半は、藤色のマフラー軍団で埋まった。

だが、いざ試合が始まると流通経大柏(千葉)の厳しさに圧倒された。0−4で屈し、準Vに終わったが、郷里に戻った選手たちを待っていたのは、沿道を埋め尽くした市民の歓迎だった。

準Vから3カ月、監督の服部は定期異動で県教委に転出、J磐田ユースなどで指導経験を持つ大石和孝(現・法大監督)が、後を引き継いだ。さらに今春、OBの吉野友三(藤枝市在住)が新監督に就任、藤枝東の新たな挑戦が始まった。(敬称略)

 <次回からは「清水東」>
 
シズサカ シズサカ

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