社会人野球ヤマハ 153キロ右腕、有本雄大投手が戦線復帰!JABA東北大会、都市対抗東海地区予選へ盤石の投手陣

戦線復帰した有本投手


勝負の時を前に、心強い戦力が帰ってきた。

社会人野球・ヤマハ(浜松市)の3年目の右腕、有本雄大投手(おかやま山陽高―東北福祉大出身)が5月9日開幕のJABA東北大会(宮城)を前に、けがから戦線復帰した。

昨秋、JABA選抜の一員としてアジアウインターリーグ(台湾)を経験し、プロや社会人のトップ選手の間でもまれて意欲を新たにしたものの、今年2月の草薙キャンプ初日に右脚の肉離れで離脱していた。4月中旬のオープン戦で復帰し、東北大会や6月5日開幕の都市対抗大会東海地区2次予選に照準を合わせる。

新境地への意欲

東北大会、都市対抗予選に向けて練習に励む有本投手


「今年こそはと思っていたので、めちゃくちゃショックでした」

キャンプイン早々のけがに肩を落とした有本投手。昨季までは中継ぎを担ったが、ウインターリーグで先発を経験し、新境地への挑戦に意欲を燃やしていた矢先だった。

最速153キロの力強い直球で追い込み、変化球で空振りを取るのがスタイル。どちらかと言うと中継ぎタイプだが、昨季終了後、長いイニングを投げたいという思いが芽生えた。冬の間は持ち前の質のいい直球を保ちつつ、緩急をテーマにカーブなど変化球の習得に力を入れてきた。

申原直樹監督も「(台湾から)帰ってきて自分から『先発がやりたい』と言ってきたんです。有本が自己主張してくるのは初めてだったので(よほどのこと)。向こうで先発の心得をつかんだんでしょう」と、変化を感じ取っていた。

何事も120%


入部以来、けがに泣かされてきた。昨年の都市対抗大会東海地区2次予選は、ホンダ鈴鹿との第1代表3回戦、三菱自動車岡崎との第1代表決定戦で救援登板し、手応えをつかんだ。だが本大会直前に脇腹の肉離れを起こして本大会はベンチ入りできなかった。

「力みすぎて120%くらい力を出してしまう癖があって」と有本投手。いかに力感を抑えるかが課題になっている。九谷青孝投手コーチは「やめろと言われるまでがむしゃらに練習するんですよ。真剣に野球に取り組むのはいいことなんだけど。ただそういう姿勢は野手も見ているので、いい当たりが正面を突いたり、ファインプレーにしてくれたりするんですよね」と明かす。

投手の中心担う決意


スタートで出遅れたため、しばらくは中継ぎ起用が見込まれる。「けがをした自分が悪いので、とにかく中継ぎで結果を出すこと。ウインターリーグでもコントロールと変化球がいいピッチャーが抑えていた。力みすぎず、どれだけミットにコントロールできるかが大事。投手の中心を担い、都市対抗優勝に貢献できるようにしたい」と決意を口にする。

「全く緊張しない」という性格は大舞台向き。ただ、「緊張しないと気持ちが乗らず、球も弱い」という反面もある。

「だから自分でプレッシャーをかけてます。ここで打たれたらもう投げさせてもらえない、とか。結果を残さないと戦力外になる、とか。その方が持っているものが出る感じなので」。有本投手にとっては緊張感のある場面こそ、腕の見せどころだ。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
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