<社会人野球・都市対抗東海地区2次予選> 第1代表2回戦 ヤマハ、難敵撃破 エース佐藤廉が完封 森川、土山ら新人が適時打

社会人野球の都市対抗東海地区2次予選・第1代表トーナメント2回戦が12日、岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われ、ヤマハ(浜松市)はJR東海(名古屋市)に5-0で勝利し、第1代表3回戦に進出した。エース佐藤廉投手が圧巻の投球で3安打完封。打線は初回、ともに新人の森川凌選手と土山翔生選手の適時打などで一挙4点と、新旧戦力がかみ合って難敵を攻略した。

ヤマハ
410 000 000 =5
000 000 000 =0
JR東海

JABA大会覇者5チームが東海地区

3安打完封した佐藤廉投手

日本選手権出場を懸けた今季のJABA大会のうち5大会を東海地区のチーム(王子、JR東海、ヤマハ、トヨタ自動車、ホンダ鈴鹿 )が制している。そのうちヤマハを含む4チームが都市対抗予選の第1代表トーナメントで同じブロックに入る激戦区となった。2回戦の相手JR東海は今季、JABA東海地区春季大会、JABA静岡大会を制するなど波に乗るチーム。佐藤廉投手は「春季大会も静岡大会もJR東海戦で自分が投げる予定だったけれど、その前に負けてしまった。予選2戦目で当たることが分かり、(相手の勢いを)自分が止めるつもりだった」と気合が入っていた。

「コースも高さも全て良かった」

佐藤投手(左)と大本捕手

初回に連打を浴びてピンチを背負ったものの、二回以降は凡打の山を築いた。この日の最速は145キロ。「(外野に打球が)飛んでいたけれど、追い風であのくらいだったので、差し込めていたと思う」と佐藤廉投手。大本拓海捕手(掛川西高出)は「コースも高さも、全てのコントロールが良くて集中して投げられていた」と絶賛した。

九谷投手引退で受け止めた重責

昨年までは「自分は0点で抑えるピッチャーじゃない」と控えめな口ぶりだった。ところが2枚看板だった九谷青孝投手(現投手コーチ)が昨季限りで引退。自身に掛かる期待と責任の重さを受け止めた。「九谷さんが抜けて怖かった。今までは2人で2勝してきたので。これからは自分がまず絶対に1勝しないといけない。もう1勝できるピッチャーが出てくるかどうか、分からなかった。でも九谷さんが抜けて、若手に自覚も出て伸びてきた。自分も負けられないと思います」

この日のスタメンのうち1、2年目が4人を占める。「ヤマハに新しい風を吹かせてくれている。確実にチームは進化している」と大本主将。

2年目のリードオフマン

リードオフマンの役目を果たした西村選手

初回、2年目のリードオフマン西村進之介選手が内野安打で口火を切ると、森川選手と土山選手ら新人2人の適時打などで一挙4点。二回も先頭で出塁した西村選手は「ヤマハのクリーンナップは社会人の中でトップクラスだと思っている。自分が何とかすれば点を入れてくれる」と自身の役目を果たした。

2年目とは思えぬ落ち着きぶりだ。「もちろん大事な試合だけれど、昨年も経験しているので特別気負うことはないし、やれるだけの準備はしてきたつもりなので、ここにきてドタバタすることはない」と西村選手。申原直樹監督は「西村が自分で勝ち取った1番。もともと積極性はあったが、待つところは待てるようになり、足もあって出塁率が高く長打もある。理想的な1番になりつつある」と成長を喜ぶ。

躍動する新人

先制の適時打を放った森川選手

一回無死満塁で先制打を放った森川選手は「打ったのはスライダー。曲がり系の球が浮いてきたら徹底して狙っていこうという話を(チームで)していたので、それができて良かった。いいバッターが後ろにも前にもいるので、自分はいいスイングをするだけだと思ってました」。遊撃の守備でも見せ場をつくった土山選手は「どんな状況でも冷静にプレーできるのが自分の持ち味。やるべきことをしっかりやることを心がけています」と頼もしい。

適時打を放ち、塁上でガッツポーズする土山選手

決定戦懸けトヨタと勝負

次戦はトヨタ自動車と第1代表決定戦進出を懸けて戦う。2023年都市対抗本大会決勝で敗れ、今季もJABA静岡大会準決勝で苦杯を喫している宿敵。申原監督は「投手力含めて隙がないチーム。ミスが勝敗を分けるが、ミスが出ても次のプレーを大事にやっていきたい」と気負わず臨む。

(編集局ニュースセンター・結城啓子)

【取材こぼれ話】
佐藤廉投手は、連覇したJABA東北大会(5月)では準決勝で好投し1失点で完投。大会MVPを〝狙って〟いましたが「いただけなかった」とガックリ。MVPに輝いたのは主砲・網谷圭将選手でした。佐藤投手は受賞できず肩を落としたものの、浜松に帰った後、網谷選手が佐藤投手と大会首位打者の土山選手に、MVP副賞の〝お買い物券〟で焼き肉をごちそうしてくれたそうです。網谷選手、素晴らしい気遣いですね。
シズサカ シズサカ

静岡新聞SBS有志による、”完全個人発信型コンテンツ”。既存の新聞・テレビ・ラジオでは報道しないネタから、偏愛する◯◯の話まで、ノンジャンルで取り上げます。読んでおくと、いつか何かの役に立つ……かも、しれません。お暇つぶしにどうぞ!

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