
ヤマハは2点を追う五回、相羽寛太選手(静岡高出)の2ランで同点。続く網谷圭将選手の内野安打と森川凌選手の二塁打で1死二、三塁とし、大本拓海選手(掛川西高出)の一ゴロで勝ち越した。八回に失策が絡んで同点とされたものの、九回2死二、三塁で網谷選手の3ランで勝ち越した。

先発の梅田健太郎投手は立ち上がりに2四死球と乱れて2点を失ったものの、その後は立て直し5回を1安打2失点で試合をつくると、沢山優介投手(掛川西高出)、水野匡貴投手(静岡高出)、佐藤廉投手の継投で2安打3失点に抑えた。
ヤマハは11月12日の決勝で日本生命と対戦する。
網谷「つないでくれてありがとう」
今大会、不振に苦しんでいた網谷選手からチームを勝利に導く会心の一打が飛び出した。
「全員がつないでくれたんで、僕が決めるしかないという気持ちになってやろうと思いました。(スタンドに)入った瞬間は『みんなにありがとう』って思いました。ここまでつないでくれて。野球って一人じゃできないじゃないですか。本当にそれを、年々感じてやっているので、泣きそうでした。4番を打たせてもらって、監督もずっと信じて使ってくれている。ここで自分にプレッシャーをかけないでどうすると思い、死ぬ気で臨みました」
相羽「自分もびっくり」
都市対抗からの好調を維持する相羽選手が同点弾を放った。
「びっくりです。あんなところ(左中間深く)に入るとは思わなかった。2打席目に高めの真っすぐにさされてレフトフライになったので、3打席目はそこに目付けをして(ホームラン)。3打席目に入る前に、きょう2安打していた土山(翔生)に感覚を聞いて、すぐに修正できました。毎日、打席に立った振り返りを次につなげるという作業をしているので、ちょっとしたずれが少なくなっているかなと思います。あすは決勝だからといって構えることなく、しっかり準備して勝てるように頑張りたいです」
梅田「全国大会の決勝は人生初」
先発の梅田投手は、初回に2点を失ったものの、その後は修正し5回を1安打2失点にまとめた。
「(ヤマハの)打線はどこからでも1発がある。1、2点なら返してくれると思っていました。社会人を代表するような打者の(NTT東日本の)向山(基生)さんを、ちゃんと抑えられたのが良かったです。全国大会の決勝は人生初。未知数ですが、出番があるかも知れないので、都市対抗のリベンジと思って挑みたいです」
同日、行われていた母校・立正大の東都大学リーグ1部2部入れ替え戦の結果を試合中も気にかけていて、「(昇格が決まり)うれしい」と笑顔だった。
沢山、スライダーに手応え
4年目で日本選手権初登板の沢山投手は「大阪入ってから状態は良かったので、それを信じて投げるだけでした」。
都市対抗後にエース佐藤廉投手からスライダーを教わったという。「自分は苦手な球で廉さんは得意な球。どうやって投げているのかを聞いたら、僕は『ひねる』イメージだったけれど、廉さんには『切る』イメージだと言われた。徐々にそれが分かってきました。キレは全然、廉さんに及ばないですけど、自分の求めている変化量になりました。投げていて自分もびっくりしたほど曲がりましたし、空振りを取れたというだけでも収穫だと思います」と手応えを感じていた。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)



































































