
【「大岡信研究」第10号】 四元康祐さんの世界各国連詩体験

ご自分が初めて連詩に参加したのは2003年の「しずおか連詩」という。参加者は大岡さん、小池昌代さんにオランダの詩人2人、ヘンク・ベルンレフさん、ウィレム・ファン・トールンさん。四元さんにとって海外詩人との共同制作は、静岡が端緒だったようだ。
中国、韓国、トルコ、アメリカなどの詩人たちとの連詩創作のエピソード、作品解説が続く。2015年、戦後70年の年に開かれた「日中韓三か国語連詩」の立ち上げの経緯が興味深い。
首相談話に中韓が反発する中、四元さんは「政治が言葉をめぐって対立するのであれば、詩人は言葉によって繋がり、ひとつに和する姿を示すべきではないかと考えた」という。中韓の詩人に四元さん、そして「宇宙人枠」で谷川俊太郎さん。8月15日に中韓の詩人を招いた朗読会で披露された連詩。聴いてみたかった。
(は)
※写真のバックはかつての「しずおか連詩の会」の作品を紹介する静岡新聞紙面
静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。