静岡学園はセカンドチームにもテクニシャンがずらり!プリンスリーグ東海で魅力的なサッカーを体現する選手たち
変幻自在のボールコントロールと、意表を突くドリブル。プロでもないのに「見ている人を楽しませたい」と口にする選手たち。
「静岡学園」のブランドは今や、全国のサッカー少年たちの憧れだ。「高校サッカー界のルイ・ヴィトン」と称するサッカー関係者の声も、決して大げさには聞こえない。
部員約200人がAチーム〜Eチームと1年A、1年Bの計7カテゴリーに分かれて日々切磋琢磨している。選手層の厚さは全国トップレベルだろう。
U−18プリンスリーグ東海に出場しているセカンドチーム(Bチーム)は5月1日現在、2勝2分けの負けなし。県内強豪の藤枝東や藤枝明誠、富士市立のAチームと互角以上の戦いを演じている。
今回は静岡学園セカンドで輝きを放つ2年生コンビを紹介する。
FW佐々木雄基(2年、川崎フロンターレU-15出身)
セカンドチームでプリンスリーグ開幕からワントップの定位置を確保した。背番号10を託され、テクニシャン集団を最前線で牽引する。
小刻みなタッチと、レフティー独特のリズムが印象的なドリブラーだ。180センチと小さくはないが、小回りの利いたルーレットで相手の隙間をすり抜けていく。
佐々木は小4で川崎フロンターレジュニアに合格。中学3年までの6年間、東京都東村山市の自宅からバスと電車を乗り継ぎ、片道1時間半掛けて神奈川県の練習場に通っていた。
「小4の時から一人で電車の中でお弁当を食べて、帰宅はいつも夜10時半ぐらいだった」。小学6年時は神奈川県選抜の10番を付けたこともあった。
静岡学園への入学を決意したのは小学6年の冬。埼玉スタジアムのスタンドで、全国高校選手権を制したテクニシャン集団に心を踊らせた。
「もう、見ていてめっちゃ面白いと思って。ドリブルに特化しているシズガクなら、自分の特長を伸ばせると思いました」
現在は寮ぐらし。仲間と二人部屋での生活を楽しみつつ、Aチーム入りを目指して練習に明け暮れる。今はセカンドチームでも「静岡学園に来たことは、全く後悔していない」という。
プリンスリーグでは、トップチームを指揮する川口修監督が目を光らせている試合も多い。「もちろん意識しています(笑)。自分は同じミスを繰り返してしまうので、修さんからは『改善力をつけろ』と言われています」
プレミアリーグと全国高校選手権で活躍する日を思い描いている。
MF山田悠太(2年、清水エスパルスジュニアユース出身)
セカンドチームのサイドアタッカーを担う。OBの古川陽介(ジュビロ磐田)が全国高校選手権で見せたドリブルに憧れて、伝統校の門を叩いた。
古川が今もJリーグで時折見せている足の裏を使ったキックフェイントは、山田の十八番でもある。山田は「古川選手の発想がすごい。ドリブルがうますぎて、影響されすぎました」と笑う。
160センチの小柄な体を生かし、相手の懐に潜り込んで突破していくドリブラーだ。プリンスリーグ第4節の藤枝東戦では中盤右サイドで先発し、カットインから、利き足ではない左足で狙いすましたシュートを決めた。
焼津市小土出身。藤枝市を拠点にする蹴力HANASHI FCから、中学に上がるタイミングで清水エスパルスジュニアユースに進んだ。中学時代は世代別のナショナルトレセンにも呼ばれていた。
全国からテクニシャンが集まる静岡学園では、まだAチームに入ったことがない。セカンドチームを指揮する北川慶コーチの「まだ波がある」という課題をクリアできれば、“昇格”も見えてくる。
「自分は面白いプレーが好き。楽しみ100パーセントの時の方がいいプレーができるので、とにかく楽しくプレーすることを心掛けています。セカンドでしっかり経験を積んで、結果を出して、まずは多くの人に自分のことを知ってもらいたいです」
川口監督がよく口にする「やって楽しい、見て楽しいサッカー」を体現する選手だ。
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