
高速道路で車両火災、原因は? 見かけたらどうすればいい?

エンジンルームに置き忘れた布切れ(可燃物)からの発火も
牧野:車両火災には、どのような原因がありますか?永谷:漏れた燃料の発火や、エンジンルームに点検用の布切れなどを置き忘れたことによる発火、ブレーキの引きずり(戻り不良)などでブレーキが熱を持ちタイヤが発火する場合もあります。車にはエンジンなどの発熱する部分や、バッテリーなど電装系の部品が数多くありますので、一概に原因を特定することは難しいです。
牧野:いろいろな原因があるんですね。高速道路と一般道で、車両火災の危険性は変わってきますか?
永谷:連続して走行する高速道路のほうが、車両火災の危険性は高いと言えます。エンジン音は大きくなりますし、窓を閉めて走行するので異音や異臭に気付きにくいです。高速道路では、パーキングエリアまで距離がある、トンネルを走行中、路肩がないなど、すぐに停車できないこともあります。また、追突などの事故が発生した時に、その衝撃の強さから可燃物に引火する可能性もあります。
車両火災を見かけたら ハザードランプ点滅、停車、通報
牧野:高速道路で車両火災を見かけた時はどう対応したらよいですか。永谷:まずはハザードランプを点滅させて、後続車に緊急事態が発生していることを伝えてください。次に安全な場所に停車してから、携帯電話などで119番通報して、発生場所、停車位置、人などが車外に避難しているかなどを伝えてください。
牧野:危険度で言うと、トンネル内の車両火災も危ないですよね。
永谷:大事故につながるおそれがありますので、トンネルに入る前に火災発生を知った場合は、進入せず入口手前で停車してください。トンネル内で火災に遭遇した場合は、煙の流れと非常口の方向を確認して、煙に巻かれないようにすみやかに避難します。その際、車を左右に寄せてサイドブレーキを引き、エンジンを止めます。救助活動のことも考えて、鍵はつけたまま、ドアロックをしないで避難してください。
牧野:自分の車で車両火災が起きてしまったら、どのように対処すればよいですか?
永谷:走行中であれば、ハザードランプを点滅させて後続車に緊急事態が発生したことを伝え、路肩に停止します。119番通報するとともに、自らが危険にさらされない範囲で初期消火に努めてください。火がまだ小さければ、上着などで炎を覆う、ペットボトルの飲料水をかけるなどの方法が初期消火に役立つ可能性があることを覚えおいてください。
法定点検や日常点検 乗車時には音や臭いにも注意
牧野:車両火災を防ぐためには、事前のメンテナンスが大事ですね。永谷:まずは12か月点検などの法定点検を受けていただくことが大事です。プロの整備士が点検しますから、普段は見えない箇所からのオイル漏れなど、不具合を早期に発見してもらえます。また、車に乗っている時に普段とは違う音や臭いがしたら、車両火災の前兆かもしれません。早めに安全なところに停車して、JAFなどに救援を依頼してください。
また、法定点検のほかに「日常点検」という車のユーザー自身が実施すべき点検があります。エンジンオイルの量やタイヤの空気圧のチェックなどです。故障を回避できるだけでなく、点検項目以外のちょっとした異常も発見できたりします。
牧野:愛車に興味・関心を持つことは、車両火災を防ぐ第一歩ですね。
永谷:大事な車を長く安全に乗るために、ぜひこまめなメンテナンスをお願いしたいと思います。
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