
オリゴ糖とは?
原口:ここ何年かでオリゴ糖が入っている商品がかなり増えていると思うのですが、そもそもオリゴ糖って何なんでしょうか?松田:原口さんはどんなイメージをお持ちですか?
原口:カロリーが低い、身体によさそう。
松田:すばらしい!正解です! だいたいそういうことなんです。オリゴ糖は20種類以上あるんです。その中から主なものを説明します。
■フラクトオリゴ糖......低カロリー甘味料としてよく用いられている。ニンニクやごぼう、アスパラガスなどに含まれる。こういった野菜をスープに入れたりポタージュにすると甘さが出る。
■イソマルオリゴ糖......蜂蜜や味噌、醤油などに含まれていて、熱や酸に強く、食品に旨味やコクを与える。防腐作用もあるので保存食にも適している。
■大豆オリゴ糖......その名の通り大豆に含まれ、甘さは砂糖の70%程度でカロリーは約50%程度。熱に強く、他のオリゴ糖よりも少量で腸内の善玉菌を増殖させる作用があり注目されている。
■ガラクトオリゴ糖......母乳に多く含まれる糖。たんぱく質の消化吸収のサポートやミネラルの吸収も促進する。
原口:それぞれ特長があるんですね。これだけ種類があることにびっくりしました。なぜオリゴ糖が注目されるようになっているんですか?
松田:「罪悪感なき甘み」ということじゃないでしょうか。これは難消化性という、消化されにくい腸でのエネルギー吸収が緩やかな性質が注目されています。もう一つは、単なる減量だけでなく今ブームの「腸活」、善玉菌を増やして腸にいい健康美容効果だと思います。
砂糖との違いは?
原口:砂糖との違いはどんなところですか?松田:まず同じ1gあたりのカロリーは、砂糖の4キロカロリーに対して2キロカロリーと半分なんです! ただ、甘さも50%から60%と言われています。例えば、コーヒーに小さじ1の砂糖を使うところを、オリゴ糖に置き換えればカロリーカットできます。
原口:砂糖をオリゴ糖に置き換えられるということですが、気をつけた方がいいことはありますか?
松田:やはり、同じ甘さを求めて大量に使わないことがポイントです。ただ、オリゴ糖の最大のメリットである腸内環境改善の効果によって便通改善や美肌効果、動脈硬化の予防などへの効果が明らかになっています。また、虫歯になりにくいというメリットもありますので、家族みんなで上手に使えば罪悪感のない甘さを楽しめると思います。
原口:カロリーゼロではないので、入れすぎは注意ですね。ちなみに、オリゴ糖にはシロップタイプと粉末タイプとありますが、どういう感じで使い分けた方がいいですか?
松田:どちらも「今の甘味料と同じ量を置き換える」ことがポイントです。例えば、冷たい飲み物のガムシロップや料理のみりんの代わりにはシロップタイプ、砂糖との置き換えの場合は粉末タイプにすれば使いやすいです。
てん菜糖との違いは?
原口:普通の調理の仕方と同じでいいんですね。ちなみに、腸内環境を整えるという意味では「てん菜糖」も同じような働きを持つと聞いたことがありますが、てん菜糖との違いはどうでしょうか?松田:てん菜糖の原料は、上白糖やグラニュー糖と同じ「てん菜」です。白い精製された砂糖との違いは、精製せず蜜を含んだままの状態で乾燥させた砂糖であることです。お米でいうところの玄米に近い感じですね。
見た目の薄い茶色は糖蜜の色で、原料由来のミネラルなど様々な成分を含み、やさしい甘さとまろやかな味わいが特徴です。生成された砂糖類よりも血糖値が上がりにくい低GIの甘味料であることも知られています。これも「白米と玄米」と同じ考え方だと思います。一番すばらしいのが、天然のオリゴ糖が5%含まれいることで、お腹にもやさしいといわれています。
原口:私も甘いのが大好きなので、今回教えていただいたものなどで代用していけば罪悪感は薄れていくと。
松田:料理の幅も狭めることなく、いつもと同じ食事ができますし。甘さも大事です。
原口:うまくつきあうことによって罪悪感やカロリーを減らしていけますね。ぜひ、みなさんも気をつかいながら、いろいろ試してみてください!
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免責事項
今回お話をうかがったのは……松田真紀さん
1972年兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アンダーザライトヨガスクール公認講師。All About食事ダイエットガイド。年間1000人以上のカウンセリング、ワークショップ、講座など。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)、監修『前田家の食卓』(幻冬舎)、ヨガジャーナルオンライン連載。趣味はトライアスロン、ウルトラマラソン。