2015年08月01日(土)付 朝刊
昨年の2学期から、担任している中学生のクラスで新聞スクラップを始めました。目標は、「コンクールで文部科学大臣賞!」と大きく掲げ、各自で興味のあるテーマを設定し、テーマに沿って新聞をスクラップしています。記事の要約、難しい語句を調べる、記事に対する意見をまとめる、という3点を必須としています。
事前アンケートではクラスの3分の1が新聞未購読でした。中には、テレビ欄・スポーツ欄以外に新聞を読んだことがないという生徒もいました。そこで、保護者に協力をお願いし、その期間だけでも新聞を購読していただくようにしました。
昨年は、マララさんのノーベル賞受賞やスコットランド独立問題、IS(イスラム国)など国際ニュースをテーマにした生徒が目立ちました。途中、各自のスクラップブックを全員で回し読みしコメントをつける、という相互評価を行いました。地図やグラフ・イラストを使ったものやレイアウトに工夫のあるものに関心が高く、相互評価後は、コメントや他の生徒のいいところを取り入れて、より良いものを作ろうという意欲につながったようです。
スクラップを終えてアンケートを採ったところ、「要約に自信がついた」「テレビニュースで流し聞きしていたことがわかるようになった」「家族でニュースについて話すようになった」「自分が社会の一員であることを自覚した」などの意見が聞かれました。
今年の傾向としては、自然科学と教育、子育て支援に関心が高いようです。昨年よりも要約・意見ともにレベルアップしており、毎週、スクラップブックが提出されるのを楽しみにしています。
3月からは「静岡新聞の投書欄『ひろば』に意見文を送る」という取り組みを続けています。規定の400~500字というのは初めはなかなか埋まらない生徒にとっても、書き慣れてくるとむしろ物足りない字数です。その中でどう書いたら読者に伝わるのか、を意識して書くことを指導しています。「ひろば」に学校名は載りません。文責は各自にあるということも意識させ、「社会に自分の意見を発信する」ことを続けていきたいです。
(一木綾氏/加藤学園暁秀中)