静岡県NIE推進協議会

新聞読み比べ 違い考える 神戸全国大会が閉幕

2025年08月02日(土)付 朝刊


 「時代を読み解き、いのちを守るNIE」をスローガンに神戸市で開かれた第30回NIE(教育に新聞を)全国大会は1日、記事の読み比べで学びを深める実践などを発表し、2日間の日程を終えた。来年は広島市で開催する予定。
 公開授業では、兵庫県姫路市立豊富小中学校の6年生が、岩手、茨城、静岡、福岡4県の地元紙が発行する子ども新聞の東日本大震災に関する記事を読み比べ、どのような違いがあるか考えた。
 児童は見出しや写真に着目し、「被害を少なくしたいというのは同じだけど、地域によって伝えたい思いが違う」などと発表した。前野翔大教諭(38)は「違いを通じて、発信者の思いや意図を理解してもらえたら」と話した。愛徳学園中(神戸市)の3年生は、広島への原爆投下や平和について小学生に伝える新聞作りに取り組んだ。 

 

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NIE全国大会で公開授業をする前野翔大教諭=1日午前、神戸市

情報氾濫、新聞活用を 神戸で全国大会開幕

2025年08月01日(金)付 朝刊


 教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の実践報告をする第30回NIE全国大会が31日、神戸市で開幕した。スローガンは「時代を読み解き、いのちを守るNIE」。日本新聞協会の中村史郎会長は開会式で「将来を担う子どもたちには情報氾濫の時代に情報リテラシーを高めてもらう必要があり、新聞の活用はうってつけだ」と強調した。
 県内からは県NIE推進協議会の安倍徹会長とNIE実践指定校の教諭やNIEアドバイザー、新聞関係者ら約20人が参加した。
 「情報で、いのちを守る」をテーマにしたパネルディスカッションでは、昨年の兵庫県知事選や近年の災害時に交流サイト(SNS)や口コミで誤情報が拡散されたことに触れ、正しい情報を見極めることの重要性を確認した。
 兵庫県西宮市立浜脇中の渋谷仁崇主幹教諭は、まちづくりなど防災や減災に関して考えさせる際に新聞を活用していると説明した。
 作家の小川洋子さんは記念講演で、大会に先立ちNIEの授業を見学したことを紹介。「新聞を取り入れることで、授業が活気づくのを実感した。30年も続いている素晴らしい活動をぜひつなげていってほしい」と語り、新聞を活用する新たなアイデア創出にも期待を寄せた。 

 

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神戸市で開幕した第30回NIE全国大会で開催されたパネルディスカッション=31日午後