2011年10月16日(日)付 朝刊
新聞には必ず「人」が登場します。「多くの人の生き方と出会うことができる」という意味で、新聞には読書に勝るとも劣らない魅力があると思います。さまざまな分野で活躍する人の充実した生き方を、タイムリーかつ簡潔に紹介してくれているのです。
「人」を紹介する新聞のコラムには、夢や喜び、生きる上での努力や工夫がつまっています。最近のコラムでは、「もったいないを広めたマータイさん」「77歳ヨット8度目世界一周の斉藤さん」「わさび火災警報装置を開発した田島さん」などが目を引きました。
コラムだけではありません。ニュース記事やスポーツ記事にも、結果だけでなく、結果に至るまでの努力や苦悩などの過程が詳しく書かれています。
例えば、女子サッカー「なでしこJAPAN」の活躍に、勇気を与えられた方も多いのではないでしょうか。私自身、彼女たちの記事を読んで、日本人としての新たな価値観を示してくれたのではないかと感じました。それは、周囲に感謝しながら、目立たなくともひたむきに目標達成を信じてあきらめず、そして、悲壮感とは無縁に、楽しみながら世界の頂点を目指した、誇り高い生き方です。
時には、「人の生き方から学ぶ」という目的を持って新聞を読むことをお勧めします。特に、地方版には身近な人を紹介する記事が数多く載っています。新聞の再読性・保存性を生かして、記事とじっくり向き合い、豊かで前向きな生き方を発見する喜びを味わってみてください。
(焼津大村中教頭・矢沢和宏)
