「今後のリクルートにも響くと思うのでしっかり出していかないと」静岡県内の夏のボーナス予想は前年比2.2%増える見通し 中東情勢の悪化のなか"赤字覚悟"で上げる決断をした企業も

5月26日、静岡県内企業の2026年の夏のボーナス予想が発表され、2025年に比べ2.2%増える見通しとなりました。中東情勢の悪化によってナフサ不足などの影響を受ける企業は、先を見据えた慎重な判断を迫られています。

静岡経済研究所が26日に発表した夏のボーナス予想。

県内の民間企業の平均は39万7400円となり、2025年より2.2%増える見通しです。プラスとなる見込みの背景には、2025年度、業績が堅調だった企業が多かったことなどがあげられます。

従業員が30人以上の企業では、人材のつなぎ止めのための引き上げなどもあり2025年より3.1%プラスの48万2400円と予想されています。

一方、29人以下の企業では中東情勢の影響などにより2025年からのプラスは0.4%にとどまり、26万8500円と予想されています。

<静岡経済研究所 中村建太主任研究員>
「名目上の支給額は増えても、家計の実感としては食料品を中心に物価上昇が続いているので、増加分がそのままレジャーや嗜好品の消費に回るとは限らないと見ている」

■「もっと上げて欲しいが、会社がつぶれても給料もらえなくなる」

所得が増えている実感はあるか、まちの人に聞いてみると...。

<30代 自動車関連業>
「住宅ローンも上がっていて、金利も上がっているので、負担の方が大きくなっているかな」
<50代 飲食業>
「もっと上げて欲しいが、会社がつぶれてもね、給料もらえなくなるし、上手くバランスとってくれれば」

■「赤字覚悟」で引き上げを決断する企業

県内には「赤字覚悟」でボーナスを引き上げる予定の会社もあります。静岡市葵区にある花菱建設は従業員約70人、アスファルトの舗装工事を中心とする会社です。

<花菱建設 北澤和彦専務>
「アスファルト=石油製品を扱ってるので、正直(今期は)相当苦しい業績になるのは予想している」

2026年度は原油高の影響を受けることが見込まれるなか、夏のボーナスは2025年に続いて2%から3%引き上げる予定です。働く社員のため、そして今後の採用活動を見据えた決断です。

<花菱建設 北澤専務>
「赤字覚悟でも厳しくても安定して供給していかないと社員の皆さんが喜べないのもあるし、今後のリクルートにも響いてくると思うので、そこはちょっとしっかり出していかないとなと思う」

■原油高・ナフサ不足に苦しみ「据え置き」が精いっぱいの企業も

ナフサ不足の影響に苦しみ、夏のボーナスを据え置くことで精一杯という会社もあります。

焼津市にある老舗プラモデルメーカー「ハセガワ」です。飛行機やキャラクターなど幅広いジャンルのプラモデルを製造しています。

<ハセガワ 長谷川勝人社長>
「会社としては仕入れ資材とかプラスチックの原料とか全般的に非常に値上がりしている。利益率がいま非常に悪くなっている。ですからこれが精いっぱいな感じ」

ハセガワは2025年度以降、不景気による買い控えなどで売上が減少し、そこに最近の原油高によるコスト上昇が追い打ちをかけています。

ただ、社員の生活を守るため、ボーナスを据え置く代わりに7月以降、基本給の「賃上げ」をする予定です。

<ハセガワ 長谷川社長>
「最近のインフレ傾向を見ていると、皆さんも給料もださなきゃいけないし、ボーナスもきちんと出さないと社員の生活がやり繰りできないことになるのでそこはきちんとしていきたい」

中東情勢の悪化で苦境に立たされる企業は今後ボーナスをどう扱うかが、重要な判断となっていきそうです。

■今後の見通しと専門家の分析

中東情勢の影響ですが、静岡経済研究所の中村建太主任研究員は「この夏は昨年度の業績をもとにしていることが多いので、大企業を中心に影響は小さい」としたうえで、「次の冬もしくは来年の夏は、下がる可能性が高い」と分析しています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

関連タグ

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1