
赤字経営が深刻化する静岡市の市立清水病院の運営を民間に委託する方針をめぐり、波紋が広がっています。
清水病院の職員を対象に行ったアンケートで、待遇の変化への懸念から4割が退職の意向を示していることが分かりました。
■労働組合が会見「大変残念な思い」
<清水病院の職員>
「現場の意見を聞く機会すら設けられずに行われた今回の通告には、非常に大きな衝撃を受けるとともに、大変残念な思いを抱えています」
28日、静岡市役所で会見を開いたのは、市立清水病院の職員らでつくる労働組合です。会見は、4月24日に難波市長が発表した方針を受けて開かれました。
<静岡市 難波喬司市長>※4月24日の会見
「仮に閉院をするというようなことになれば、そこでより大きな問題が発生することになります。したがって、いかに市立病院を残すかということを考えると、このやり方しかない」
■赤字31億円に拡大 民間との「一体運用」へ
難波市長は、赤字経営が続く清水病院について「医療体制を維持するため」として、民間の清水厚生病院と一体的に運用する方針を示しました。
清水病院をめぐっては、医師や看護師の離職が相次ぎ診療科の縮小や撤退が続いています。
2024年度の赤字額は22億5000万円に上り経営改革が進められてきましたが、物価高騰などの影響に対処しきれず、2025年度の赤字額は31億円に拡大する見込みです。
<静岡市 難波市長>
「2つの病院が両方とも自分の方を存続させようと思って頑張ると共倒れになるので。医師の確保数であるとか、そういうことも考慮すると、こういう形が一番望ましいんじゃないか」
難波市長は、民間のノウハウを活用して経営改善を図るため清水厚生病院を運営するJA静岡厚生連を指定管理者として清水病院の運営を委託する方針です。
■清水病院職員「軽視されたように感じたという職員が多い」

2027年4月から入院機能を清水病院に集約し、清水厚生病院は外来機能のみを担うとしています。
一方、清水病院の職員は、この方針を3月31日に通告され2027年4月以降の処遇については、十分な説明がないと不満をこぼします。
<清水病院の職員>
「今まで市民の方々の健康を支えてきた、良質な医療を提供してきたという強い思いがあったんですけれども、軽視されたように感じたという職員が多かった」
■アンケートでは「退職したい」41.4%、「悩んでいる」44.1%に

労働組合が職員640人から回答を得たアンケート調査では、「退職したい」または「悩んでいる」と答えた職員がそれぞれ4割以上に上りました。
<清水病院の職員>
「指定管理に反対というわけではなくて、説明不足による混乱が現場で起きている。これを市長にもお伝えしたい」
労働組合は現在、付近の住民を対象にしたアンケートも行っていて、まとまり次第、市に提示したいとしています。
■背景と悪循環の構造は

職員からは懸念の声が多く上がっていましたが、このままの経営が続いた場合、清水病院はどうなるのでしょうか。
<植田麻瑚記者>
難波市長が「共倒れになる」と強い言葉で述べた背景です。
そもそも清水区は葵区・駿河区よりも人口減少が進んでいるため、入院患者が減少し同じ地域の病院で患者を奪い合っていると指摘されています。
その結果、手術件数が減り医師としての経験を積む機会が失われ、若手医師の流出につながっているといいます。
医師不足が深刻化して医療機能が低下し悪循環に陥っているというわけです。
<滝澤キャスター>
このサイクルが続いていくと、閉院の可能性も出てくるわけですね。
<植田記者>
難波市長は地域の医療を守るために何としても「閉院」は避けなければならないとして今回の方針を打ち出しました。
一方で課題となるのが職員の処遇です。
難波市長は「運営形態よりも、病院の社会への貢献と働きやすさが大事ではないか」としています。
運営改革の必要性を示す中で、現場の理解をどう得ていくのかが、今後の大きな課題となりそうです。










































































