
特集の「現場から、」。今回は静岡県内でも2025年の秋から目撃と出没が相次いだクマについてです。「災害級」ともいわれるクマの脅威から人の暮らしを守る最前線、猟友会と一緒に山に入りました。
防犯カメラに「黒い影」…目撃数は過去最多
民家のすぐ横を移動する黒い影。2025年12月24日、掛川市の住宅に設置された防犯カメラがとらえた野生のクマです。
<住民>
「もうすぐクマだって分かりますね。本当にゾッとしました。まさかって感じで」

自然豊かな静岡県はツキノワグマの生息地であり、主に県中部の南アルプスや東部の富士のふもとに生息しています。2025年、静岡県内でクマとみられる動物の目撃が相次ぎ、統計を始めた2013年以降で目撃数は最多となりました。
罠にかかったシカをクマが...「エサ不足」で人里へ
12月23日、富士宮市内房(うつぶさ)の山に入りました。県猟友会の風岡正則(かざおか・まさのり)副会長は、増えすぎているシカや農業被害につながるイノシシを罠で捕獲しています。

<県猟友会 風岡正則副会長>
「ここをずっと歩いているんですよね。人間の歩いた道じゃない、獣が歩いた道。だからここに罠をかけてある」
Q. これは何罠?
「くくり罠、ワイヤーで(シカの)足を縛るやつですよね。(罠に)シカがかかって見回りに来ないで、2~3日サボっておくと、クマが来てシカを食べる」
罠にかかり動けないシカをクマが食べるようになったのは、ここ2~3年のことだと言います。
<風岡副会長>
「周りを見ても全部植林のスギ・ヒノキじゃないですか。雑木がないから、ドングリの実なんかが少ないはず。エサがないところに、クマの個体が増えれば、山の中でエサが調達できないから、里に出てくることはあり得ますよね」
クマの目撃が増えた背景として考えられているのは、「山に人が入らなくなった」からです。
<風岡副会長>
「いま炭を焼く人もいないし、薪を作る人もいない。山で仕事をする人が少なくなったから」
見回りは「丸腰」…銃刀法の壁

静岡県は長年、ツキノワグマの猟を自粛し、保護してきました。2024年、県が初めてクマの生息数を調べると南アルプス地域に約440頭、富士地域に約100頭生息していると分かりました。
クマの目撃の増加を受け県はツキノワグマを引き続き保護していくのか、一定の個体数になるよう管理するかの検討を始めました。
相次ぐ出没を受け、全国では住宅地近くに出没したクマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」が始まっており、県内でも猟友会を中心にその役割を担うことになります。しかし、クマと向き合う猟友会の多くが、いま危険を感じている課題があります。
罠の見回りに猟銃は携帯できない...

<風岡副会長>
「自分の身が危険だなと思っても、鉄砲を持っていくわけにはいかないんですよ、罠の見回りでは」
Q.ダメなんですか?
「法律でそういう風に決まってるんですよ」
罠の見回り中に、猟銃を携帯することはできません。銃刀法が定める「正当な理由」=「狩猟行為中」に見回りは該当しないため、銃刀法違反になってしまうからです。
<風岡副会長>
「こうやって見回りに来るときに、クマがシカを食べている現場に出くわすこともある。これはやばいなっていう時はありますよね」
Q.それは猟友会のメンバーの皆さんが…
「みんながそう言ってます。」
今後、住宅地にクマが出没した場合に、自治体の判断で駆除する「緊急銃猟」も猟友会の皆さんが担っていきます。
安全にクマの駆除をするため自治体による「緊急銃猟」のマニュアル整備も急がれます。








































































