「一番に掲げて当選しているので丁寧に説明を」新図書館中止主張の新人候補が現職退け初当選 市民の意見割れる 静岡・伊東市長選

現職と新人の激しい一騎打ちとなった静岡県伊東市長選は5月25日、投開票が行われ、新人の田久保真紀氏(55)が初当選しました。田久保氏が訴えた「新たな図書館計画の中止」が支持される結果となり、大型公共施設をめぐる動きが注目されます。

激戦から一夜明け、地元・伊豆高原の街頭に立った田久保氏は、感謝の思いを市民に伝えました。

<初当選した田久保真紀氏>
「皆さんすごく期待をしていただいているので、その期待に応えられるように頑張っていきたいなと思っている」

25日午後10時すぎ、当選確実の一報を受けた田久保陣営は大歓声に包まれました。約1700票差で現職を破りました。

<田久保氏>
「本当にこれは、市民の方の勝利だと思っている。最優先の課題がたくさんあるが、常に、常に市民と一緒にやっていくという姿勢を打ち出して行きたいと思っている」

市長選で最大の争点となったのは、田久保氏が問題視した新たな図書館計画です。

<伊東支局 青島悠記者>
「激しい一騎打ちとなった今回の伊東市長選。新図書館の建設計画を進めてきた現職の小野氏を破って田久保氏が初当選したこの結果は、伊東市民が新図書館の建設に対してNOを示したとも受け止めることができます」

建設費「42億円」を投じる新図書館ですが、市民の間でも意見は割れます。

<伊東市民【賛成】>
「私は図書館は作るべきだと思っている。教育って大事だと思う」

<伊東市民【反対】>
「図書館は素敵だけども、でもやっぱりもっと困っているほうに、福祉とかいろんな事業の高騰している方の救助に(お金を)回してもらいたい」

<伊東市民【中立】>
「自分自身は図書館をほとんど使わなくて、電子書籍派なので、なんとも図書館(の建設)自体は反対とも言えないし、賛成とも言えないかなと思っている」

26日午後、当選証書を受け取った田久保氏。新図書館の建設中止について、公約として実行していく考えを示しました。

<田久保氏>
「私の思いとしてはそれを一番に掲げて今回当選しているので、市民の皆さんに対しては、丁寧に説明をこころがけていきたい」

今回の選挙で争点となったのは新しい図書館計画の是非です。築40年以上が経ち、老朽化が進んだ現在の市立伊東図書館を建て直そうと計画しました。しかし、資材の高騰などから、建設費は当初の約37億円から42億円に膨らみました。

田久保氏は、42億円という多額の建設費と毎年かかる2億円超の維持費を問題視し、計画の中止を訴えました。当初の予定では、2028年のオープンを目指す計画となっていますが、田久保氏が当選したことで計画そのものが白紙になると見込まれます。

田久保氏は初登庁の29日に、図書館計画について具体的に意思表明をする予定で、まずはその場での発言が注目されます。物価高騰にあえぐなか、莫大な予算がかかる大型の公共施設をどのように見直していくのか、新市長の手腕が問われています。

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