北関東を中心に、全国で太陽光発電所の金属ケーブルを狙った窃盗の被害が広がっていますが、先週、静岡県掛川市の山間部でも被害がありました。その手口は素人とは思えない大胆なものでした。
<被害者>
「この太陽光発電所。これがメインの分電盤で、中部電力の柱からこちらの方に電気供給しているケーブルの末端」
今回、被害にあった太陽光発電所は、掛川市の男性が個人で10年ほど前に設置したものです。発電した電気を送るための銅のケーブルが盗まれ、長さは、32メートルから33メートル、重さは、100キロほどあるといいます。
4月24日の日中、男性が作業をした後、26日朝、再び、訪れるまでの間に被害にあったとみられます。
<被害者>
「最近、関東とか、静岡県内だと東部で被害があるというのは報道で言っていた。まさか、掛川市内で、自分の発電所で被害に遭うのはまったく想定していなかった」
被害にあった男性は、電気工事に関する資格を持っています。犯行の手口からは、専門的な知識のある人が関わっているのではないかとみています。
<被害者>
「(感電しないよう)この金属に当たらないように、こっちにパイプをぐっと引き出して、一本ずつ電気が来ているので、うまく切って引っこ抜いた。33メートル、100キログラムぐらいあるので、3人くらいじゃないと多分引き込めない」
全国で相次ぐ太陽光発電所での金属ケーブルの窃盗事件。警察庁によりますと、2024年1年間の認知件数は全国で2万701件と、統計を開始した2020年から約4倍となっています。
まわりからは見えにくい山の中にある発電所を犯人は、どうやって見つけたのでしょうか。
<被害者>
「グーグルマップで見て検索して調べてきたと思う。普通の人がまったく、ここにあるかどうかとは分からないと思う」
男性は、自分と同じように小規模の発電所を管理している人に注意を促したいと話し、今後は、警備会社と契約も考えています。
<被害者>
「まさに稼働中の発電所のケーブルを持っていくのは『ふざけるな』ということ。本当に10万20万でも売ればお金になるなら泥棒は来る、ということで気をつけていただきたい」
30日、静岡県伊東市でも金属窃盗の被害があったことが分かりました。
<伊東支局 青島悠記者>
「公園内にあるこちらの休憩施設。屋根の上をよく見てみると、板が剥がされているのがはっきりと見える」
4月9日、伊東市鎌田の公園内の東屋で、伊東市の関係者が異変に気づき、確認したところ、屋根の銅板が盗まれていました。縦15センチ、横45センチの長方形の銅板236枚で、被害額は164万円になるということです。
市によりますと、これまで定期的なパトロールなどはしていませんでした。
施設を管理する静岡県熱海土木事務所が被害届を出し、警察が窃盗の疑いで捜査を進めるとともに、周辺のパトロールを強化しています。