
【評】清水はFC東京を2―0で破って3連勝を飾った。序盤からボールを保持してもシュートを打てない時間が続いた。高さでは相手に分があり、ロングボールの対応に苦しんだが、前半44分にMF乾がファウルを受けてPKを獲得。FW北川が決めて先制した。後半、相手はサイド攻撃を多用してクロスを放り込んでくるものの、はね返して同点は許さず。34分に乾がドリブル突破から追加点を決めた。
■ピッチ内で判断…布陣修正ピタリ 監督「選手たちが勝ち筋見つけた」
清水のMF乾が華麗なドリブル突破から鮮やかな追加点を決めて勝利を手にした。けが人を複数抱える中で今季初の3連勝。チーム最年長の36歳の乾は同じ30代で奮闘する吉田、北爪の両サイドバックの活躍もたたえ、「カバーしながら戦えていることが3連勝につながっている」とチーム力にうなずいた。
1点リードして後半の中盤にさしかかろうとしたところで、今のチームの強さが表れた。15分に相手は前線の選手を2枚替え。それを受けてベンチからの指示は4バックからセンターバックを3人並べる5バック気味の布陣への変更だった。
5分ほどプレーしたタイミングで移籍後リーグ戦初先発となったボランチのMF弓場は守備時の「はまり」が悪いと感じて乾に相談。4バックに戻し、その後に追加点が生まれた。
秋葉監督は試合後、この選手主導の対応を「この試合で一番うれしかった」と評価。「ピッチ内の肌感覚を大事にしているクラブ。選手たちが勝ち筋を見つけてくれた」と褒めたたえた。乾の得点につながるパスを出した弓場は「前半からコミュニケーションをとれていた。(失点)ゼロで終われて良かった」と守備面の成果を喜んだ。
次節はホーム戦扱いになる国立競技場での名古屋戦。チーム力を見せた勢いを保ち、4連勝をつかみにいく。
■中学生以来…慣れないCBで大仕事!宇野が要注意選手をマーク
MF宇野が本職ではないセンターバック(CB)で先発フル出場し、無失点勝利に貢献した。中学生以来というポジションでの奮闘に「ピンチもあったが周りに助けられた」とチームメートに感謝した。
CBでの先発が想定されていたDF蓮川がアクシデントにより、急きょメンバーから外れた。176センチの宇野より12センチ大きい相手のブラジル人FWに体をぶつけ続け、「分が悪いのは分かっていた。相手が何をされたら嫌かを考えていた」と体を張って押さえ込んだ。
16日の横浜M戦では右サイドバックでもプレーした。「複数ポジションできるのは選手としての幅が広がる」と胸を張った。